12話
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サヤがアイザックとの戦いで負傷し、入院する少し前。
スカー、エドワードとアルフォンスがそれぞれ別の地でシン国から来た者達と出会っていた。
~スカーside~
ちんまり。
「……。なんだこいつらは。」
スカーがサヤと別れてから離れて数日。
イーストシティから少し離れた街で国家錬金術師の情報を集めているその時だった。
彼が見下ろす先にはちんまりと正座する小さな女の子。
服装からしてシン国の者と思われる。
誰だ、と質問した相手はヨキ。
スカーがイーストシティのスラムから出ていく際、どさくさにまぎれて付いてきたのだ。
目下、スカーの下僕状態。どの道あのスラムにはいられないのだからと、生きた心地がしないと泣きながら彼にこき使われているらしい。
「あ!お帰りですか旦那!一週間も帰って来ないから心配してたんでやんスよ、」
「なんだこいつらは」
ヨキの心配なんぞ無用かのように無視し、再度同じ質問を繰り返す。
「はじめまして。メイ・チャンと申しまス」
少しなまりがあるものの、礼儀正しく三指揃えて頭を下げ挨拶をする少女の名は、メイ・チャン。
肩には相棒の大熊猫のシャオメイ。
「この度、あなた様の主のヨキ様に命を助けて頂きました。そのご恩にむくいんとここにいる次第でございまス」
「主…?」
深々と頭を下げるメイを横目にギロリとヨキを睨むスカー。
その視線に気づかぬフリをして目を反らすヨキ。
冷や汗がだらだら流れているのが確信犯を物語っている。
「礼などいらん。さっさと立ち去れ」
そう冷たく言い放つと、スカーは左足を庇いながら地面に腰を下ろす。
それをメイは目ざとく見つける。
「怪我をされてるんですネ」
「…なにをする」
恐れることなくスカーに近づくメイ。
怖いもの知らずというか、ただ単によその国の人間ゆえスカーが指名手配犯など知るはずもなく。
自前のチョークを使い、円を描くと五茫星の印に小さなクナイを使い錬成陣を作り出すと錬成反応が起きる。
その一連の流れにスカーはとある娘を思い出した。
そうしている間に左足に負った傷は跡形もなく消えていた。
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