11話
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翌日。
病院
サヤは初めて病院というものにお世話になっていた。
聞いていた通り退屈の一言。
目が覚めた初日はここが噂の病院というやつだったことに少しテンションが上がって一日そわそわしていたのだが、何も起きないし話さないしでだんだん退屈になって嫌気が差してきた頃。
アイザックにやられた傷は自分で手当したので包帯で開かぬように巻いてるだけなのだが、いささか大袈裟な気がしてならない。
右肩の傷がとくに酷かったので右腕を包帯で首から吊っている状態だ。
骨折したわけでもあるまいし。窮屈で仕方ない。
『はぁ…』
思わずため息が出る。
すると病室のドアをノックする音がし、訪問者の訪れを告げる。
『?、はい、どうぞ。』
「よ!具合はどうだ!」
『ヒューズさんっ』
軽やかに左手を上げて、病室へとやってきたのは軍服姿のヒューズ中佐。
仕事の合間をぬって見舞いに来てくれたらしい。
しかし声が大きい。ここが病院だということをあまり認識してなさそうだ。
「聞いたぜ、今回はお手柄だったな!」
『へ?お手柄ってなにがです?』
「何がってアイザックをやったのお前さんだろ?」
『え、』
なんだそれ。
たしかにアイザックを見つけたのは私だが、倒したのは大総統のはず。
『誰が言ったんです?それ、』
「大総統だ。」
『うそ…』
「なんだ。違うのか?」
『あ、いえ…』
倒した本人が私だと言うのなら、彼は私の手柄にしたいのだろう。
不本意ではあるが、否定してもややこしくなるので肯定しておく。
「ま、ゆっくり養生しろよ」
『はい。わざわざありがとうございます』
いつもの笑顔でヒューズ中佐はサヤの頭を優しく撫でた。
胸がぽかぽかと暖かい気持ちになる。
心配されるというのはなんともむず痒い。
でも悪くはない…。
そうしてヒューズ中佐は案の定、仕事を放ったらかしにして来たからとそそくさと病室を出ていく。まるで嵐のような一瞬の出来事。
その後姿が以前にも感じた不安な気持ちを思い出させる。
『(あ…。)』
気のせい、だよね…。
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