11話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
日が沈み、夜。
ラースが軍を動かしてくれたらしく物々しい雰囲気が中央市街に漂う。
憲兵を総動員させてアイザックを探しているが、未だに発見出来ていない。
『一体どこにいる…』
………、
ひゅうっと冷気が足元を流れた。
『…!』
まさか向こうから現れるとは。サヤは後ろを振り返る。
「また会ったな、娘」
『会えて嬉しいよ、アイザック・マクドゥーガル。決着をつけよう』
「ふん。今夜は貴様と遊んでいる暇はない。一気にカタを着けさせてもらう!」
空気中の水分を氷に変えるアイザック。あられのような氷のつぶてがサヤを襲う。
『…は!』
バク宙でそれを交わすと、サヤは槍を錬成した。
『はぁ!』
「そんなものでオレを倒そうなど、笑止!」
槍でアイザックに立ち向かうが、氷の剣で錬成した槍がスパスパっと斬られてしまう。
斬られた槍だったものの先をみて驚きを隠せない。
「今度こそ終わりだ!」
『っ!なめるな!』
振りかぶる氷の剣をまだ残っていた槍の柄で受けるがやはり耐えきれず真っ二つに斬れ、槍の柄ごとサヤの右肩を深く傷つける。
『うっ…!』
「トドメだ。」
負傷した反動で後ずさるサヤの心臓を剣の先が捉える。
このまま心臓を一突きにされると思った。
しかしそこへ思わぬ人物が姿を現す。
「やれやれ、手間をかけさせるな」
「…何者だ!」
『……、大総統…』
なんとそこに現れたのは大総統。
その名にアイザックは反応しブラットレイ大総統を凝視する。
まるで会えるのを待ち望んていたかのように。
ついさっきまでサヤの心臓を狙っていた氷の剣が矛先を大総統へと変えた。
「そうか…。ははははっ!貴様がキング・ブラットレイ大総統か」
「最近体がついていかなくてね、こんな仕事はさっさと終わらせたいのだよ。」
『(よく言う…)』
と、心の中で静かにツッコむ。
身体能力がピークじゃないのに私より遥かに強いくせに…。
そこからはあっという間だった。
アイザックは大総統へと斬り込んでいくが、文字通り一瞬でブラットレイに始末されてしまった。
その太刀筋、一太刀も目に見えること無く。
その剣圧だけが唯一感じ取れたくらい。
かまいたちのような複数の剣戟がアイザックの体を切り裂いた。
彼の作り出した氷の剣は少しも大総統に掠れることさえ許さず。
その生命の終わりを告げる。
あまりの一瞬の出来事にサヤは頭が追いついていかない。
アイザックが途中まで作っていた錬成陣も発動することなく破壊され、一連の事件は終わりを告げる。
重症負ったサヤはあれよあれよと病院へと搬送されていったのだった。
.