11話
夢小説設定
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「さすが軍の狗。鼻だけは効くようだな。とはいえこんな小娘をこの俺の逮捕に回すとは。世も末だな。」
『大人しく捕まれ、と言ってもやはり無駄か…』
「無論!」
そう言ってアイザックは右手を上げた。手のひらには見慣れない錬成陣。
『……!』
「小娘とて国家錬金術師ならば容赦はせん!」
突き上げた右手が地面に触れると、突然煙が巻き起こる。
『…水蒸気か!』
ヤバイ!と思っても時既に遅し。狭い廃墟の一室、アイザックが作り出した水蒸気の目隠しがサヤの視界を奪う。
身構えるサヤだが360度真っ白で何も見えず。
出口はアイザックがいた一箇所のみ。
『(右…、左…、一体どこから…)』
―――!
ザクっ!
『うっ…!』
「ちっ。…外したか。」
氷で錬成した剣で心臓を狙ったアイザックだが、サヤがギリギリでそれをかわす。避けきれなかった斬撃が左腕をえぐった。
『(深い…。だが、急所を外せた…)』
「悪いが仕留めさせてもらう!」
『…くっ、』
状況が不利。そう判断したサヤは微かな風の動きから入口を探す。
『(風がかすかに右へ流れている。出口はあっちか…)』
「逃がさん!」
パリン、と割れたガラスの踏む音がした。アイザックが仕掛けてくる。
「せいっ!」
『……!』
正面に現れたアイザック。振り下ろす氷の剣をギリギリで交わすと、サヤは一気に出口に向かって走り出す。
「…む。逃げるか!」
『お前との決着はまた今度だ!』
出口まであと5歩!
出口が視界に入るとサヤは一気に飛び出す。
深くえぐらた傷が血の跡を残した。
「逃がしたか…」
―――。
『…、止血しないと…。』
錬丹術の陣を己の血と小さいナイフのようなクナイで作る。陣を発動させると深い傷が塞がれ出血が止まった。
『ちょっと血を流しすぎたかな…。』
アイザック・マクドゥーガル…。
水系の錬成を得意とする、か。
油断したな。対抗する術を考えなくては。
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