09話
夢小説設定
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『中にいて、と言ったはずだ。何故出てくる』
「こいつらは己れに用があるんだろう」
『用があるからと言って出てくるか普通。』
身長差からスカーを見上げる。
スカーは男の腕を掴んだまま、サヤをかばうように前に出てきた。
「ちっ、てめぇ離しやがれ!」
同じ体格なのにスカーから離れようとする男の腕はピクリとも動かせなかった。
するとスカーがその腕を錬金術で破壊してしまう。
「え…、ぎ、ぎゃあああ!」
「お、おい!」
手首から先がもがれ、もう一人の男も焦りを見せる。
『スカーっ』
「下がっていろ」
スカーが前に立ちはだかるせいで、その向こうがどうなっているのか男がどうなったのかサヤにはわからなかったが聞こえてきた男の悲鳴に状況を理解した。
「己れがここにいては迷惑になるようだ」
「おっちゃん!」
「てめっ…なにしやがった!」
腕をちぎられた男を見て、もう一人がスカーに殴りかかろうとする。
『させないっ…、はっ!』
ドスっ!
「うっ…!」
殴りかかろうとする男の鳩尾を思いきり殴る。
意識を失った男はその場に倒れた。
まだ意識がある腕をもがれた男は、相方を残してその場から逃げるように立ち去った。
スカーはその者が身につけていたサングラスを拾い、静かにそこから立ち去ろうとする。
「行くのか、兄が悲しむぞ」
『……。』
一部始終を見ていた師父が声をかける。
少しだけ顔をこちらに向け、スカーはスラムから立ち去ろうとする。
「もう…、後戻りは出来ぬのです」
そう言い残してスカーはスラムの人達が見守る中、1人去っていく。
『……、スカーっ』
しかしサヤは何故かこのままスカーと別れたくないと思った。
そう思い立った瞬間スカーを追いかけていた。
『スカー、…まって』
「……。」
歩みを止めないスカーにサヤはとっさに怪我をしていない左腕を掴んだ。
腕を掴まれてようやくスカーも歩くのをやめる。
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