09話
夢小説設定
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「だ、誰だあんた達!」
「邪魔するぜぇ」
いかにもガラの悪そうな大柄な男2人組だった。スラムの人達の声も無視してこちらに近づいてくる。
テントの前で立ち塞がるサヤの前に男達が来た。
「ようお嬢ちゃん。ここにバッテン傷のイシュヴァール人がいるって聞いたんだが知らねぇか?」
『知らんな』
「隠しても無駄だぜ?こっちにはばっちり情報があるんだ。いるんだろ?その後に」
そう言って顔を近づけてくる男にサヤは苛付きを覚える。
『場所を間違えたんじゃないのか?ここにはそんな人はいない。とっとと帰るんだな。』
「いねぇだと?ヨキさんよぉ、どういうことだ?」
『…ヨキ?』
男が後ろを振り返る。ヨキと呼ばれた人物をサヤも見る。ひ弱そうな男がガレキの向こうから顔だけ出してこちらを伺っていた。
元軍人だそうだが上品な身なりをしていたのだろう。それが土埃にまみれみすぼらしい格好に。出世できずに失敗して路頭に迷ったといったところか。いかにも出世しなさそうなタイプだと思ったのは記憶に新しい。
数日前に野垂れ死にそうになっていたところをスラムの人達が助けてやったんだっけ。
「そ、そこにいるのはわかってるんだぁ!お、おふた方、やっちゃってくださーい!」
『……!』
ヨキはスカーにかけられた賞金が目当てらしく、不法者と手を組んで捕らえに来たようだ。
こんな2人で捕まるようならとっくに捕まっている、などと呆れながらサヤは立ちはだかる。
『いないと言ったらいない。とっとと去れ!』
「おいおい、お嬢ちゃん。おれ達に歯向かおうってのか?」
下卑た笑い声を出しながら手を伸ばす男。
あと数センチで顔に触れるところで、その手が何者かに捕まれ、サヤの顔にあと少しというところで手が止まる。
『……?、スカー…』
「なんだ、てめぇ」
「……。」
…スカーだった。
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