08話
夢小説設定
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はぁとため息をこぼす。
『私、なんでスカーを助けてるんだろ。エドとアルが知ったら怒るだろうな…。』
彼も目を覚ませばきっと私のこともまた殺そうするはすだ。
当然だな、なんて自嘲しながらスラム街の側を流れる小川で顔と手を洗い、スカーが眠るテントに向かって歩いた。
するとそのテントの前に人だかり。
ざわざわと賑わう様子が遠くからでも伺える。
『?』
「じっちゃ!生き返ったぞ!だれか姉ちゃんも呼んできてよ!」
「おい、生き返ったってか!」
「よかったなぁ!」
「兄ちゃんなんか欲しいものあるか?」
「つってもろくなモンありゃしねぇけどよ!」
あはは!とテントに集まってきた人たちは嬉しそうに笑う。
どうやらスカーの意識が戻ったらしい。
私はそれを遠くから眺めていた。
サヤに気づいたリック。
「姉ちゃん早く来てくれよ!おっちゃん目ぇ覚ましたよ!」
『あぁ、聞いたよ。でも今はまだ会わない方がいい。目を覚ましたのならもう安心だ。』
「そーなんか?…わかったよ。」
今、国家錬金術師である私と会えばきっと彼は興奮するだろう。
そうなればせっかく塞がった傷がまた広がるし、出血もする。
会うなら容態が安定してからか、もしくはスカーが眠りについてる時がいい。
がっかりする様子のリックの頭を優しく撫でる。よほどスカーが助かったのが嬉しかったのだろう。
『あとは任せていいか?また明日様子見に来るから』
「おう!任せてよ」
『おそらく今夜熱が出るかもしれない。慌てずにな』
「わかった!」
そう言って賑わうテントを最後に見つめたサヤは静かにスラム街を去っていった。
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