01話
夢小説設定
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『…ぶん殴っていいですか?』
「だめよ。あれでも一応大佐なのだから」
『……。』
「朝から失礼なヤツだな君は。しかも中尉…一応とはなんだ一応とは。」
中尉にダメと小さくしかられながらもフォローしたはずの彼女の吐いた毒舌は大佐を無能なヤツと語っていた。
『さっき廊下でトレインジャックがあったと聞いた。』
他の軍人さん(ハボック、フェリー、ブレタ、ファルマン)に軽く挨拶し、大佐が座っている席の前のソファーに腰かけた。
中尉が煎れてくれたコーヒーを口にする。
美味しい。
「話が早くて助かるよ──。私の管轄内でね…、汽車にはハクロ将軍も家族で乗っている」
『ふーん…』
まるで他人事の様な私の口調など気にせずさらに続ける。その汽車にはほかにも知り合いが乗っていると大佐は言う。
『誰?』
「鋼の錬金術師が一緒に乗っている──…。」
あぁ…、だからこんなにのんびりしてるんだ。
『アルフォンスもその汽車に乗ってるのか?』
「えぇ。エドワード君と一緒に乗ってるわ」
「我々はこれから駅へ行く。そこで是非君にも一緒に来てほしいのだが」
『わかった。私も行く』
意外にすんなりOKしたサヤ。少々驚いた顔をする人もいたが、大佐は予想通りの返答にニヤリと笑った。
アルフォンス(とエドワード)が汽車に乗っていると知れば私が必ず来ると確信があったのだろう。
やっぱりぶん殴っていいだろうか。
現金なヤツなんて思われてるかもしれない。
けどアルフォンスに会えるのなら。……、エドワードは…、…うん、べつにいい。(…)
───……。
プシューー…っ
白い煙を上げてゆっくり止まった例の汽車。
何事かと様子を見る見物客を押しのけて憲兵が警備を張る中、汽車に乗り込んだ軍人達がボロボロになったトレインジャック犯を捕まえて出てきた。
なんだか、必要以上にボロボロな気もするが。
それよりも私はある人物が居ないかと、汽車の周りをキョロキョロと見渡した。
『──あ!…アルフォ…ン…ス……。』
「…………。」
・・・・・、
『──ちっ。』
「会っていきなり舌打ちかよっ!」
感動の再開がぶち壊された。
なぜ、アルフォンスよりも先にこのちっこいヤツ(ちっさい言うな!)兄貴の方のエドワードと会うんだ。
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