08話
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『おばさん、あと包帯を多めに。それから消毒液もお願い』
「あいよ」
司令部を去ったサヤは今、街中へ買い出しに来ていた。
これがもうひとつの用事。
イーストシティのはずれにある貧民街(スラム)へ行くこと。サヤの国家錬金術師のための研究費用はおおむねスラムに住む人たちの治療道具や薬、食料に当てていた。
が、内緒でしていていることなので頻繁にすることも出来ず、こうしてたまにしか来ることか出来ないのが現状で。
『薬に包帯、食料も買ったし。』
こんなもんかな、と久々に会えるスラムの人たちの顔を思い浮かべながら機嫌よくスラムへと歩いていく。
が、まさかあんな所でヤツと再開するとは今はまだ知るよしもなかった……。
イーストのはずれ、貧民街(スラム)
「あ、サヤ姉ちゃんだ!」
「ほんとか!?」
「あ、サヤちゃん!」
よく来たなぁ!と大勢の人が集まってくる。その住民のほとんどが褐色の肌、赤い目が特徴のイシュヴァールの民である。
『おじいさん、前に足が痛いって言ってたから薬持ってきた。後でまた具合見せて。』
「すまんなぁ、助かるよ」
『子供の具合はどう?ただの風邪だと思うけど、食料たくさん持ってきたから栄養のあるご飯食べさせてあげて』
「ありがとうサヤちゃん。ほんとにありがとう」
一人一人に声を掛け、また必要なものがないか聞く。
そしてまた次に来た時に持ってくる。
それが彼女の中で使命となりつつあり、殺伐とした生活の中でひとつの生きがいでもあった。
そんな中…….、
「あ!サヤ姉ちゃん!」
『リック!どうした、』
「ちょうど良かった!すっごい怪我人がいるんだ!ほっといたら死んじゃう!姉ちゃん診てくれよ!」
サヤの元にやってきた少年、リック。
彼の慌てように余程の重症なのだと察し、ありったけの治療道具を持ち急いで少年の後を追った。
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