07話
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『もう行くのか?』
「あぁ、明日の朝イチの汽車で中央に行くよ。」
「サヤはどうするの?一緒に中央に行く?」
少佐の命懸けの組み手を終えて、夕食時。
今後のことを話し合う中、アルフォンスが尋ねる。
イーストシティから共に来たサヤ。兄弟はマルコー先生から貰った手掛かりを探しに中央に行くがサヤは先のことを考えるのを忘れていた。
『中央かぁ。そういえばどうするか考えてなかった。』
「珍しいね、サヤがぼーとしてるのって」
いつも自分のことちゃんと考えてると思ってたよ、とアルフォンスはチラリとエドワードを見ながら言うものだからなんだか笑えてきた。
「誰かさんと違ってね、」
「んぁ?なんの話だよ」
豪快にエビフライを頬張るエドワードにアルフォンスは心中やれやれと思うのであった。
『確かに言われてみればそうかも。』
ここリゼンブールがあまりにも居心地が良すぎて、ただただ日々を穏やかに過ごすことに慣れてしまい、いずれここを立たねばならないということをすっかり忘れてしまっていたのだ。
「サヤさえ良ければ、こいつらが行った後も居てくれていいのよ?」
『ウィンリィ…。ありがとう』
久々の女友達でよほど嬉しいのか、滞在の延期を催促するウィンリィ。
サヤも気持ちは嬉しいがいつまでもいる訳にも行かない。
『気持ちは嬉しい。でもエド達と一緒に出るよ。ただ、私はまだイーストシティに用事があるから中央には一緒に行けない。少佐、あとの事はお願いします。』
「うむ、あいわかった!我輩に任せよ!」
「なんだ、イーストシティに戻んのか」
夕飯をたらふく食べ終えたエドワード。
一緒に中央に来るものと思っていたらしく。
『あぁ、だがまたすぐ中央に戻ることになると思う。』
「そっか。」
するとエドワードはこそっとサヤに耳打ちしてきた。おそらくウィンリィに聞かれない為だろう。
「あっちには傷の男(スカー)がまだいるだろうから気をつけろよ。」
『心配してくれるのか?』
「ばっ…、そうじゃねぇけどよ、」
『ふふ、ありがとうエド』
「お、おう」
気恥ずかしそうにそっぽを向いたエド。
嬉しそうに笑うサヤ。
アルフォンスはサヤが一緒にリゼンブールに来てくれたこと、心から良かったと思うのであった。
翌朝
「世話になったな、ばっちゃん。」
『ありがとうございました。』
ちょうど中央行きの汽車とイーストシティ行きの汽車の時間が近いため、エド達と一緒にロックベル家を出ることになったサヤ。
徹夜続きの上、昨日は女同士遅くまでおしゃべりしていた為ウィンリーはまだ夢の中。
起こしてこようか、とピナコは言うがエド曰く手入れがどうのこうの、うるさいからいいとめんどくさそうにいう。
「ボウズ共、サヤ。」
『?』
「たまにはご飯食べに帰っといでよ」
『……!』
「うん、またそのうち」
「こんな山奥にメシ食うだけに来いってか」
「ふっふ…」
『少佐?』
「なんだよ、」
少し気持ち悪いと思ったのは内緒。
「迎えてくれる家族、帰るべき場所があるというのは幸せなこことだな」
『そうですね』
「へっ。オレたちゃ旅から旅への根無し草だよ」
素直に少佐の言葉を受け入れないところがまたエドワードらしいと思った。
根無し草などというが心の底では帰るべき場所なのだと認識しているのだろう。
「エド!アル!サヤ!」
二階のベランダから聞こえた声に三人は振り返る。
「いってらっさい」
「…おう。」
『またね。』
ウィンリィの言葉に返すように手を振り、エド達はまた旅に出たのだった。
『(いってらっしゃい、か…。)』
それは魔法の言葉。
いつでもここへ帰ってきていいと願う、思いの籠もった言葉である。
『(またいつかここへ来れる日が来るのだろうか…、)』
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