04話
夢小説設定
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『―ッ!』
ふいに話しかけられた。顔がこわばるのが自分でもわかった。声は出ず、頷く。
「…貴様も国家錬金術師か…」
『……。』
サヤという名に聞き覚えがあるのだろう。
無言は肯定の証拠。
私はスカーの瞳から反らすことが出来ず、まるで金縛りにあったような感覚に陥った。
憎しみ、
恨み、
悲しみ、
怒り…、
負の感情…その想いだけが我が身に残った全て。
そう感じ、そして思わず…
『あなたは…』
「……。」
何かを言わんとするサヤにスカーは黙る。
『…私と同じ瞳(め)をしている…。』
「……。…貴様も復讐に身を委ねた者か…。」
スカーはサヤが呟いた言葉にあまり驚く事はなかった。むしろ、私と同じ思いを感じていたようだ。自分と同じ復讐者と。
そのことを知り、不謹慎だが自分と同じ人が居ることに安心感を覚えてしまった。
『そうだ…。私は悪魔に魂を売った…。』
「…何故…。」
『祖国に復讐するため。』
まだ幼い部類に入る少女の口から出た決意は残酷なものだった…。
自分が言えたことではないが…。
互いに一歩も動けずいた時間だけが過ぎていく。
そんな時…、
――‐バァンッ!‐――
『ッ!』
一発の銃声が張りつめた空間を引き裂いた。
空に向かって空砲を打ったのは、
「そこまでだ。」
『大佐!』
援軍を率いて現れたマスタング大佐だった。
「危ないところだったな。三人共」
『…遅いです、大佐っ』
「大佐!こいつは…っ」
普段はムカツク奴だが今回ばかりは救世主のようにちょっとだけ輝いて見えた。
「その男は一連の国家錬金術師殺し、の容疑者…、…だったがこの状況から見て確実になったな。」
大佐はスカーにタッカー邸の殺害事件も貴様だな、と問う。スカーは頷く事もしなければ、否定もしなかった。
大佐の言った事が初耳だったエドワードはスカーを睨んだ。
「…錬金術師とは元来あるべき姿を異形の物へと変成する者…。
それすなわち万物の創造主たる神への冒涜。」
手の関節がゴキンっと鳴った。
「我は神の代行者として裁きを下す者なり!」
「…それがわからない。世の中に錬金術師は数多いるが国家資格を持つ者ばかり狙うというのはどういう事だ?」
腑に落ちない、とマスタング大佐は眉間に皺を寄せ問う。スカーの行為が理解出来ないのだ。殺人者の考えなど理解したくもないだろうが。
しかしスカーは大佐の質問には答えなかった。ただ…
「……どうあっても邪魔をすると言うのならば、貴様も排除するのみだ。」
……と。
答える義理はない。スカーのセリフにそう含まれているようで。
「…おもしろい!お前達は手を出すな。サヤ、そこから下がっていなさいっ」
『……っ。』
戸惑いながら小さく頷く。しかしスカーと戦おうとするマスタング大佐にホークアイ中尉が待ったをかけるが、
「マスタング大佐!」
「マスタング…。国家錬金術師の?」
スカーが先に大佐の名前に反応してみせた。
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