29話
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グラトニーを喰らい、嗅覚を手に入れたプライドが容赦なくエド達を襲う。
反撃もままならない。ひたすら襲ってくる影から紙一重で避けるばかり。
攻撃される度に地形が変わり、どんどん広大していく地はこちらにとって不利な状況でしかない。
影の攻撃を避けれても、その反動で破壊された地面や木々が二次災害を起こしていた。
『くっ…、』
「若っ…!」
「残念。グリードだ。」
横を通り過ぎて行ったリンを気にかけるランファン。だが、すでに彼はリンではなかった。
「貴様ッ!若に身体を返セ!」
「そいつはできねぇ相談だ。」
「何ッ…」
「おっと、来るぞ。」
プライドの影が二人を襲う。なんなくかわすも、グリードにさらに追い討ちを掛けてくる。
グリードが、というよりリンのことが気にかかるのかランファンが意識をグリードに向けるも影は彼女にも襲いかかる。
ふいにぎこちない動きを見せたランファンをサヤは見逃さなかった。
『ランファンっ!』
「姫ッ…」
この際、呼び名なんて気にしてる場合ではない。
プライドの影を一度は避けれても、その時身体に異変が起きたようで体制を崩すランファンに追い討ちをかける影からとっさに、彼女の身体を掴んでなんとか避けきることが出来た。
その時聞こえたキシキシというエドからも聞いたことのある機械鎧の音。
彼女の腕はサヤの知らぬところで機械鎧となっていたのだ。
不調の原因はこれか、とすぐさま察知する。
『ぐっ…』
かすったか…。
左足首から吹き出す血。ランファンをかばった時に避けきれなかったのだろう。
2人して空中で体制を整えて着地する。
「姫、怪我ヲ…ッ」
『バカ!私の心配より自分の心配をしなさい。どうして機械鎧になったかは知らないけど、その腕まだ本調子じゃないんだろう!』
「ッ…」
『リンのことなら心配はいらないっ』
護衛役のはずが、果たせていない自分が許せないのだろう。
ぐっと噛み締める様子のランファン。
すると遠くでなんとか避難する手負いのハインケルとフーを捉えた。
その2人をかばいながら戦うエドとグリード。
「おっさん!」
「無事かハインケル。」
「あぁ、なんとかっ。すまない、仕止めきれなかった」
「気にすんな。養生してろ。倒せなくてもしょうが無ぇ。俺から見てもありゃ化物だ。」
《兄弟に対して失礼な口をききますねグリード。食べていいですか?》
「俺食ったら腹ぁ壊すぞ。兄ちゃん」
『ハインケル!フー!』
「お、ちょうどいい所に。サヤ、ハインケルの怪我見てやれ」
こちらにくるサヤに気づいたのか、背後にいるハインケルを指さすグリード。
サヤが錬丹術を使えることをリン辺りから聞いたのだろうか。
傷を治せることも知っているようの口ぶりだった。
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