28話
夢小説設定
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「う~~~。おでおこった!」
やられてばっかりだったからか、グラトニーの様子が変わった。
「暗くておまえら見えない!おなかすいた!なのにおまえらさっさと食らわれてくれない!だからここら丸ごと飲んでやる!」
両腕を上げて怒りを表す。
するとめきっとグラトニーの腹が開いた。
文字通り、腹が肋骨から開いたのだ。
アレを見たのは久しぶりだ。
あのお腹に飲まれたら最後二度と太陽の光を浴びることはなく。つまり死を意味する。
肋骨から開いた腹の中は真っ暗で目玉が一つ。
ぞくり、と悪寒が走る。
『──!いけない!』
「!やばい感じ!」
「やばいって何が!?」
「何か来ル!」
「何かって何!?」
一人状況を認知出来てないエド。
さっきから全然役に立ってません。
「おいちょっとおまえら何見えてんの!?ノーマルのオレに説明しろーーー!!」
ヒュン…、
『え….、』
「!?」
突如グラトニーに襲った剣線。
その瞬間、血しぶきを上げて崩れ落ちる。
「なんだ!?」
『新手!?』
「頭下げてろ!まだ何かいる!」
再生しようとするグラトニーをさらに畳み掛けるように次々に襲う斬撃。
『この気配は…!』
「まだ敵がいるのか!?」
「わからン!わからんがこれハ…!」
「この…におい…、おで、知ってる…」
ついに姿を表した。
トドメとばかりにグラトニーの脳天を突き刺す刃。
その一撃で地面に伏したグラトニー。
『あれは…!まさか…、』
「あぁ…、…息災で何より。…待っていたぞランファン!」
リンの護衛、その一人。
名をランファン。
彼女が圧倒的な早さ、強さ、パワーでグラトニーを追いつめていく。
「若!」
「挨拶は後だ!畳み込むぞ!」
「はっ!」
「いいかげん食べられ…」
『断る!』
バシン!と起こる錬成反応。
無数の五芒星の陣から錬成された鋭利な刃がグラトニーを次々に突き刺す。
「これハ…、錬丹術!?」
『休む暇を与えるなランファン!奴に賢者の石を使わせ続けるんだ!』
「!…御意!」
その言葉通りリンとランファンが体術で、サヤが遠隔錬成でグラトニーをさらに追い詰めていく。
圧倒的連携。
「なんで……、なんでこの暗闇でおでのいる所わかるの?」
反撃のスキすら与えられないグラトニーはどんどん弱っていく。
「シンの王は龍脈を支配し、天下を動かす者…。王族およびそれを守る者は気の流れを読む事、己の掌を見るが如シ。加えてお役目柄、夜目も利ク。」
………。
「うわわわわ!?」
突如エドの隣に浮かび上がるように現れた不気味なお面。
驚くエドとダリウスにお面を取って見せ、現れたのは、
「フーじいさん!?」
「久しいな小僧。」
ランファンと同じく、黒装束に身を包んだリンの護衛ことフー。
「なんでここがわかったんだ?」
と、エド。
「ここしばらく中央に潜んで様子を窺っていたのだガ…、でかい「気」が複数こちらに動くのを察知してナ。後を尾行して来たらとんでもない事になっておったワ。」
すぐそこで、でかい「気」が3つ、ぶつかっているナ、と彼は言う。
「たぶんそれサヤとグリードとグラトニーだ。」
「グリード…、若を飲み込んだ輩カ…。やはり姫もこの国におられたのカ…、ランファンが言っていた通りだナ」
「姫ぇ!?ってまさかサヤのことか!?」
「おぬしなにも聞いとらんのカ!?」
「聞いてねぇ!」
サヤが姫だなんて聞いてねぇぞ!
シンから来たのは知ってるけど!
「まぁよい、その話は後ダ。…森の中にも更にでかい気がひとツ…」
「今、ツレがプライドってホムンクルスと戦ってる」
「……あと、集落の中にそれとは比べ物にならん気配があるナ。なんだこれハ….っ」
フーをも怯ませるほどの巨大な気の塊とは一体…。
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