28話
夢小説設定
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『何か来るぞ!伏せろ!』
「──!?」
その言葉にダリウスがいち早く反応し、グリードとエドの頭を下げさせ奇襲を回避する。
バクン!むしぃっ
抉られた木は簡単に倒れる。
「鋼の錬金術師のにおい。グリードのにおい。サヤのにおいもする。」
『ちっ、だからこの場所がわかったのか…』
「この声はグラトニー!そうかプライドの奴、グラトニーの嗅覚を使って俺達を探し当てたな!」
「見えん…」
たどしたら大した嗅覚の持ち主だ。
この広い中央で見つかりにくいこの場所を選んだのに、あっさり見つけられてしまうのだから。
「あと知らない奴のにおいは…、食べていいよね」
「ご指名だダリウス。あれもホムンクルスだせ。」
「んな化物クラスとどーやって戦えってんだ」
奇襲してきたものの、あれからなかなか襲ってこないグラトニー。
こちらの位置がはっきりとわかってないのだろうか。
『あいつが見えるか?』
「いや…、この距離だとなんか嫌な気配でだいたいの場所がわかる位だな。」
『あいつは恐らく臭いを頼りにこの暗闇を動いているだけだ。私も戦うから協力してくれ。』
「野生のカンが「やめとけ」って言ってるんだけどなぁ」
ハインケルも頑張ってくれている。やるしかない。
ダリウスは覚悟を決めた。
「ええいクソ!男は度胸だ!先手必勝!」
『よし!』
ダリウスの先制攻撃を合図にサヤも物陰から飛び出す。
クナイをグラトニーの足を狙って放ち、動きを止め、そのスキにダリウスが一撃を食らわす。
「ぬぅおお!」
『いいぞ!その調子だ!』
「当たった!」
最初の一撃に続き、頭突きや蹴りを次々に当てていくダリウス。
「おまえ頭がかたい。歯ごたえありそう。その頭食べてやるー」
「断る!」
『……私必要なかったかな?』
最初しか役に立ってないな私。
いひゃい、とダリウスから距離を取りグラトニーは察知出来なくなった。
「やったか?」
『グリード、』
「手ごたえはあった。」
「よし!そのままたたみかけろ!」
「簡単に言うな!こちとらハインケルと違って夜行性の目玉は持ってないんだよ!」
『今は近くにいない。気を付けろ、どこから飛び出してくるか…』
「接近戦じゃないと捕えられん…、… !そこだ!」
「ごふっ!?」
『あ…っ、』
ダリウスの渾身の一撃を食らったのはグラトニーではなく、エド。
クリーンヒットだったらしい。
「ゴリさん…ひでぇ…」
『コソコソするから…。大丈夫か?』
「あ…エドか。どーりで影が小さ…」
「だれが影が薄くて気配が小さいミジンコどチビくぁー!?」
『そこまで言ってない。』
緊迫した状況だというのに。
久々に聞いたエドの被害妄想幻聴発言。(…)
『グリード、』
「んぁ?」
『リンと変われ。私とリンでグラトニーを仕留める。』
「ちっ…」
『早く決めろ。全員この場で死にたいか!』
「うるせぇな….、しょーがねぇ!てめぇこの身体持ち逃げすんなよ!?」
てめぇ、というのは恐らく中にいるリンに向けて言ったのだろう。
元々リンの身体なんだけどなそれ。
大きな声を出したからか、背後からグラトニーが飛び出して来た。
『!、後ろ!』
「いっただきっま…」
「そこダ!」
「う"っ!?」
背後からグリードを狙ったグラトニー。
だが一瞬にして気配がリンのものへと変わるとすぐさま避け、グラトニーに一撃を食らわせた。
『リン!』
「やぁ、さっきぶリ。」
『そんな悠長な!』
「んじゃ一気に仕留めるゾ!」
『言われなくても!』
なんか調子狂う。
自分からリンと変われなんて言っておきながら。
大丈夫かな…。
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