26話
夢小説設定
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「えーっと…さ、父さんは賢者の石でまっとうな身体じゃない訳でしょ?つまり…その…ボクらは…」
「その賢者の石を父に持った子ははたしてまっとうな人間か…って聞きたいんだろ?」
アルが言いづらそうにしてるのをホーエンハイムさんが続きをかわりに言ってくれた。
その通りだったのでアルは小さく「うん…」と頷く。
「大丈夫だよ。俺は分解再構築によって賢者の石と魂が融合してるけど、核はあくまで俺という人間だから」
「そ、そっか…!」
ホーエンハイムの言葉に安堵したのかアルはほっと息をつく。
たが…、と続きをはなす。
「中央にいるあいつ…、“あれ”は俺を模した革袋に入ってるようなものだ。」
『お父様、…』
「父さんの姿を模した存在…」
だから似ているに違うのか。
存在そのものが違えば気配も違って感じるのは当然か。
時に、と今度はホーエンハイムが昔からのに質問してきた。
「君はいったい何を司るホムンクルスなんだ?プライドやラスト、いろいろ聞くが…」
「ほ、他に仲間がいるの!?」
『あぁ…。だが私はそのどれでもない。お父様は人間で言う7つの感情を切り離しエンヴィー達ホムンクルスを作った。』
プライド、スロウス、ラスト、エンヴィー、グラトニー、グリード、そしてラース。
彼らはお父様から切り離された7つの罪。感情。それぞれを司るホムンクルスとして生まれた存在。
だがサヤはそのどれでもなく、またその全てともいえるホムンクルス。
『私のホムンクルスの名は“フィーネ”。終わりと始まりを意味する。お父様がホーエンハイムさんの分身というのなら私はさらにその分身といったところか、』
「“フィーネ”か…、考えたもんだな。」
顎に手を当て感心した素振りを見せる。
プライド達はあくまで手駒のような存在。自分もまたそうなのだと思っていた。しかしホーエンハイムさんは違う、と言った。
「俺が思うにサヤ、君はなにか特別な存在かもしれん。」
「特別って?」
『まさか。』
ありえない、と否定する。
しかし、“お父様”にとってなにか特別な役割を果たすために作られた“人造人間”。
それがサヤ。
ホーエンハイムさんはそう考える。
「どんな、とまでは予測はつかないがあいつと対面する際は気をつけた方がいい。嫌な予感しかしない。」
『それはホーエンハイムさんの勘?』
「…そうだな。」
ホーエンハイムさんの肯定にサヤはふっと笑った。
『ならその忠告は素直に聞いておくべきだな。あなたの長年の“勘”がそういうのなら』
「たしかにそうだねっ」
長年、という点に関してはホーエンハイムさんの右に出るものはまずいないだろう。
ちょっとした冗談に笑いが起こるのだった。
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