26話
夢小説設定
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肉体は賢者の石と融合した歳からさして加齢していないという。
そのまま時間だけが過ぎたという感じ。時間なんて言えないくらいの月日が過ぎているが。
##NAME1##の質問は錬金術師ならぬ錬丹術師ならではの知的探求心といったところか。
「うーん…どんな感じって…、この身体色々便利だけど、友達が先に逝ってしまうのが嫌だな」
『……。』
死なないからこその悩みだった。
友達が出来てもいずれは老いて死んでしまう。なのに自分にはそれが許されなくて。
「……ボクは、夜に1人だけで起きてるのが嫌だな」
『アル…』
「サヤは?」
この身体になってから。
“人造人間”になってから嫌だと思うこと。
アルにそう聞かれ、ふと思い返した。
『私は…たくさんの人に嘘をつき続けたこと、かな…。』
「サヤ…。」
『エドにもアルにも、ウィンリィにも…。』
言い出せばキリがなくて。
マスタング大佐やヒューズ中佐、ホークアイ中尉。
味方じゃないのに味方のふりをして。
たくさんの嘘を色んな人に、嘘の自分を見せてきた。
それが一番苦しかった…。
お互いの悩みを話したことで、3人の間にすこしの
安心感が生まれた。
お互い抱えてる悩みがあるということ。それがどんな内容にせよ少なからず共通点があるということは気持ちを楽にさせた。
「父さんがそういう話なら合点がいくよ。ピナコばっちゃん家にあった父さんの写真、十数年前のなのに今とちっとも変わらないし」
だからこそ偶然会った瞬間も間違うことなくひと目でわかったともいえるのだが。
リゼンブールのピナコばっちゃんとホーエンハイムさんは所謂酒飲み友達なんだと。
そのセリフの前に“昔からの”、がついているのだが。
「年寄りの“昔”って10年や20年どころじゃないだろ?」
「まあ…な。ピナコとは50年か…60年くらい前からの知り合いだ」
ざっと半世紀近くの付き合い。
ピナコさんの紹介で奥さんと出会い、結婚しエドとアルが生まれたという経緯も恥ずかしげもなく話してくれた。
…馴れ初めを聞いた覚えはないはずなのだが…。
「…トリシャも先に逝ってしまった…」
『ホーエンハイムさん…』
思わずしんみり。
濃ゆい話をしたり、恋バナをしたり、かと思えばしんみりしたり。
耐えかねたアルが話題を変える。
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