25話
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「エドとアルには本当に感謝してるのよ。あのまま騙され続けていたら私達、死をも恐れぬ軍団とやらにされていたかもしれないもの」
『……。』
ロゼの考えはあながち間違いではない。
教主は裏でホムンクルス側と繋がっていたから本当に街の人達を死を恐れぬ軍団か最悪、賢者の石の材料にされていたかもしれない。
───。
「……ふうん。つまりその国土錬成陣の発動を阻止しようとしてる訳か。」
「うん」
ところ変わってアルフォンスとホーエンハイム。
復興作業を中断し、人目のないところへとやってきた。
アルが聞きたいことがあるそうだが、おおよそ他の人には聞かせられない話だ。
「そのためにリオールに来たら父さんがいてびっくりした。…と同時にラッキーと思ったよ。」
「どうしてだ?」
『中央の地下深くにあなたとそっくりな男がいるからだ。』
「…!」
「サヤ!」
突然現れたのはウィンリィと一緒にロゼが匿っているはずのサヤだ。
「よくここがわかったね」
『うん。アルのお父さんの気配は独特だから。すぐ分かるよ。』
「…お嬢さんはシンの国の人だね?」
『そういうあなたは一体何者なんだ?姿は“お父様”とまったく一緒なのに感じる気配はまるで違う』
ものすごい違和感を感じる。
“お父様”から感じる気配はアメストリス国の地下から発する“大勢の人がうごめいている”ような気配だが、ホーエンハイムから感じる気配はまるで一つの大きな川のような感じなのだ。
「父さんと無関係とは思えない。その男が何者か知ってるんじゃないかって…。父さんに会ったら聞こうと思ってたんだ。」
「……。」
アルとサヤの質問にホーエンハイムはすぐには答えてくれなかった。
しばらく沈黙が続くと、無表情で二人を見る。
「…いいのか?アルフォンス、お嬢さん。」
「え?」
『……。』
「俺が“あちら側”の人間だったらどうする?」
ホーエンハイムの言う“あちら側”とはつまりホムンクルス側。
アルの父親だからとつい気を許してしまった二人は思わずドキリとする。
「こんなにペラペラ喋って俺から“あっち”に筒抜けになるとは考えなかったのか?」
「あ……」
『……っ』
時すでに遅し。
ホーエンハイムの言うことは正しい。
戦闘になるか、とサヤは思わず身構える。
が、しかし…。
コンっ。
「俺を信用してくれてありがとうな。嬉しいよ」
「……うん!」
『……。』
さっきの無表情は演技だったのか。
一変し、父親の表情を見せたホーエンハイム。
張り詰めた糸がゆるくほどけたような心地がした。
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