25話
夢小説設定
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ロゼに向かって幼なじみです、と何故か必死に説明するウィンリィが面白かった。
と、そこへ現れたもう一人。
「お~いロゼ~。ナベ洗い終わったよ~。他に仕事は…」
『……え、』
「「「あ。」」」
どうして。
あの方がここに…。
『な、なんでっ…』
「あ…」
「エドとアルの…っ」
「父さん!?」
え…?
「俺の鎧コレクション!!」
「ってちがーう!」
『……。』
「え?あ、すまん!」
せっかくの感動の再会になるはずが、アルを鎧コレクション呼ばわりしたせいで一気に台無しに。
「十数年ぶりだなアルフォンス。」
「そうだね。」
『この人がエドとアルの父親?でも、だってこの姿は…』
どうみても“お父様”にしか見えない。
だが雰囲気がすこし…いやかなり違う気が。気配も全く別物のようだ。
「その事についてはあとで詳しく説明するよ。とにかくこの人は僕の父さんで、サヤの知ってる人じゃないよ。」
『そ、そうなのか…。』
双子ように瓜二つな目の前人物。
名をヴァン・ホーエンハイムというらしい。
あまりの酷似した姿を思わず頭の天辺からつま先まで何度も凝視してしまう。
「…ピナコから聞いたよ。身体の事とか…」
「うん…」
久しぶりの再会のはずなのに、なぜだか空気が重たかった。
父親の記憶なんて無いに等しいアルは父親の姿を写真でしか知らない。
ゆえに偶然会えたとしても話す言葉がなかなか出てこなくて。
それでも勇気を出して話そうとしたのだが、タイミングが悪く街の人達に手伝って欲しいと声を掛けられてしまう。
「ちょっと手伝ってほしいんだけど手ぇ空いてる?」
「あぁ。いいですよ。…じゃあ後でゆっくりな」
「あ…、うん。」
結局アルが振り絞った勇気も空振り。
引き止めることも出来ずホーエンハイムはその場からいなくなってしまった。
『よかった…のか?』
「何を話せばいいのか分からなかった…。」
遠くなる後ろ姿をじっと見つめるアル。
その時食事処の主人が声を掛けてくれた。
「あのラジオ、直してくれたの覚えてるかい?」
「あ…」
主人が明るい笑顔で言う。
「あれから調子いいよ。雑音も入らないし」
「あれから…か」
あれから、というのは恐らく暴動が起きた時のことだろう。
そんなに長い時間が経ってないのかもしれないが、もうずいぶんと昔のことのように思える。
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