03話
夢小説設定
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「まずいな…」
『───…!エドワード…!アルフォンス…っ!』
二人が危ない…!
外は雨が降っていた…―。
*
「ごらんなさい、グラトニー。
人間はどうしようもなく愚かだわ。」
「おろか、おろか」
漆黒の衣装で身を包む女性と小柄で丸く太った奴が教会のベランダから暴動を眺めていた…。
ここはリオール。
以前エルリック兄弟が教主の陰謀を暴き、街の人を救った街である。
が、彼らの知らない所でリオールはあらぬ道を突き進み、暴動で血を大地に流していた…。
「あぁ、まったくだ。」
影から姿を現したのは教主と呼ばれる人物。
「これはこれは〝教主様〟」
「さまー。」
しかし教主であって教主ではない。なぜなら本物の教主は行方が分からなくなっているから。
ならば今ここに立っている教主は一体何者なのだろう…。
「悪いわね。手をわずらわせちゃって」
と、女の人。
「あぁ。これが終わったらさっさと受け持ちの街に帰らせてもらうからな。」
「本当に…。鋼の坊やにジャマされた時はどうしようかと思ったけど…。
結果として予定より早く仕事が終わりそうで助かっちゃったわ。」
─人間は単純で操りやすい…
いつの時代の人も
過去から何も学ぼうとせず、そこにある教えに目を向けず突き進む。
悲しい生き物…
流血は流血を
憎悪は憎悪を喚ぶ。
ふくれ上がった強大なエネルギーはこの地に根を下ろし、血の紋を刻む…
「何度繰り返しても学ぶ事を知らない。人間は愚かで悲しい生き物だわ。」
「だから我々の思うツボなのだろう?」
女の人の口元が妖しく上がる。
「また人がいっぱい死ぬ?」
「そうね、死ぬわね。」
「食べていい?」
「食べちゃダメ。
──ところで〝エンヴィー〟、いつまでその口調と格好でいるつもり?気持ち悪いわね。」
───パキンッ
「やだなぁ、〝ノリ〟だよノリ。」
エンヴィーと呼ばれた教主は突然声色を変えた。そして全身に発生した錬成反応の音と光。
教主はあっという間に姿を変えた。
「どうせ変身するならさぁ、やっぱりムサいじいさんより――、」
―若くてかわいい方がいいよね―
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