24話
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「一緒にシンへ帰ってきて欲しい、といえば姉様は帰ってきてくれるでしょうカ?」
幼少の頃、共に過ごした時の様にまた一緒に居たいというのがメイの本音。
だがサヤにとってシンが果たして帰るべき場所かと言われると頷くことが出来ない。
彼女の過去を知る数少ない人であるスカーもすぐには答えられなかった。
祖国を滅ぼす
そういっていた彼女の表情を今でもはっきりと思い出せる。
今となってはそんな気配は感じ取れないが、その思いが消え失せたかどうかと聞かれると正直分からない。
「己れにはどうとも言えんな。」
「…ですよネ、」
と、見るからに肩を落とすメイ。
だが、とスカーは続ける。
「本人に直接聞いてみるんだな。」
「…?」
「お前の今の気持ちを直接本人にぶつけてみるのが一番だろう」
「…はイ!」
ずっとこのことで悩んでいたのだろうか。
当たり前のことかもしれないが、スカーが言う"当たって砕けろ"作戦が一番なのかもしれない。
見違えるように顔がすっきりしたメイはありがとうございます!と頭を下げ、寝ろとスカー言われてようやく眠りについたのだった。
そして、夜が明け。
まだ少し熱があるものの、身体は楽になったと言い張るサヤを心配するウィンリィを宥め、一行はスラムを立った。
「行ってしまうのかい?」
スラムの長らしき初老に声をかけられる。
「ああ。この街にいる事は敵に知られているから」
スカーの答えに納得せざるを得なく。
気をつけて、と大勢のイシュバールの民が見送りに集まってくれた。
「イシュバラのご加護がありますように」
「世話になった。感謝する。」
晴天に恵まれた日の朝、新たな目的地を探してサヤ達は旅立つ。
しばらく歩いて、スラムが見えなくなったころ次の目的地を模索していた。
「サヤ、具合はどう?しんどくない?」
『大丈夫だよ。ありがとうウィンリィ』
かれこれ何回目のやり取りになるだろうか。さすがにサヤも苦笑い。
そのウィンリィの標的が次にアルへと向けられる。
「アルは?身体は大丈夫?」
「うん。ここしばらくは意識が飛ぶ事はないよ」
「担いで歩くのけっこうしんどいからな」
とジェルソ。
それに自分で歩いてくれると助かる、と賛同するザンパノ。
「はは…、ごめんねー」
『でも無理はするなアル。』
「うん。お互い様にね」
『……。』
確かに。
絶賛不良中の2人はお互いの指摘に思わず笑ってしまうのだった。
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