24話
夢小説設定
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まさかスカーからそんなことを言われるとは思いもしなかった。
空耳かとつい聞き返してしまった。
「少なくともイーストシティで会った時よりマシな顔をしている」
『……。』
空耳じゃなかった。変わった、と確かに彼は言った。自分ではまったく気づかなかった。
『私…変わった、?』
「あぁ。」
つい何度も聞き返してしまう。
変わりたいと願っていたのに、もうすでに変わっているというのも少し拍子抜けではあるが。
だが…
『私が変わったのなら、そう思う貴方も変わったんじゃないか?』
「…!」
今度はスカーが驚いた。
思わず雪を踏みしめる足を止めてしまう程に。
聞き間違いかとサヤを見下ろすが、彼女はただ微かに微笑むだけで。
「己れが…?」
『あぁ。変わったと思う。』
「……。そう、か。」
『うん。』
前は彼を怖いと思っていた。
しかし今は丸くなったというか。そばに居ると安心するんだ、とサヤが言うものだからスカーはますます驚くばかり。
かつては国家錬金術師ということで標的にすらされていたというのに、相変わらず彼女には驚かされてばかりだ。
再び雪道を歩き出す。
見えてきた麓のスラムの入口でウィンリィが1人立っているが見えた。スカーとサヤの帰りを待っていたようだ。
2人の姿を視界に捉えると慌ててやってくる。
「ちょっとどうしたのよ!?」
『ウィンリィ…』
「ただの風邪だ」
「風邪って、そりゃあんなところに何時間もいたら風邪も引くわよ!」
呆れた、と言わんばかりのウィンリィの様子に心配してくれたのかと思うと少し嬉しくなった。
「何笑ってんのよ」
『ふふっ、ウィンリィが心配してくれてると思うと嬉しくて』
「…!あ、当たり前よ!」
珍しく素直な気持ちにウィンリィも驚いたようで。
「休める所、用意するわ」
「あぁ、頼む」
そう言ってスラムの中へ入っていくウィンリィのあとをスカーも続く。通りすがり、スラムの人達にも心配されたがその度にただの風邪だとか、外に何時間もいたせいだとか、さんざんいわれたものだからある意味嫌がらせかとも思った。
そうして今なんとか焚き火の当たる側でサヤは横になっていた。
日も落ちてきたのでその小屋にマルコーをはじめとする、メンバーがそろう。
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