23話
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『マルコーさん!』
拘束が無くなり雪の上に落ちたマルコーさんの上にさらに崩れ落ちるエンヴィーの巨体。
慌ててジェルソがその場から避難させる。崩れ落ち分離していくエンヴィーの身体。その破片は次々に灰となり消えていき、最終にはエンヴィーの本来の姿だけが残った。
「こんな…このエンヴィーが…」
先の巨体も、もはや見る影もなく。
今にも死に絶えそうな姿を今度はマルコー達が見下ろす。
そんなエンヴィーの前にサヤが立ちはだかる。
「貴様ら…、下等生物なんかにやられる訳…」
『…。やられるんだよ、エンヴィーがさんざん見下してきたその人間に。』
「っく…、見るな…。サヤなんか…っ」
出会って初めてかもしれない。エンヴィーを見下ろしたのは。
名前の通り、嫉妬。
まさに醜いの一言で表せる姿だった。
醜いを通り越して惨めな気もしてきた。
だが、彼女は容赦しなかった。
右手に握りしめた拳銃が再び電気を帯びる。
その銃の先を今にも死に絶えそうなエンヴィーの眉間へと向けらる。
『これで終わりだ。エンヴィー…』
「やめろ…っ」
恐怖が脳の奥まで伝わってくる。
本気で殺される。エンヴィーはそう思った。さっきもそうだったが、本気で自分を殺そうとするサヤの瞳が恐怖そのもので。
この攻撃をくらえば、今度こそ自分は消滅という名の死が待っている。死という言葉がいくつも脳を占めていった。
「やめろー!」
『……!』
サヤのレールガンが放たれる。
…しかしそれはエンヴィーに向けられることはなく、空高く天を電撃砲が貫いた。
「……。」
『何故邪魔をする…』
サヤの手を掴み、弾道を反らしたのはスカーだった───。
「もういい。」
『まだ生きている。エンヴィーを打ちヒューズさんの敵を…』
「もういいんだ。やめろ」
『……っ。』
手が震えだした。
掴まれた手から温もりが伝わってきて、急に自分が恐ろしく思えてきたのだ。
下ろされる手から拳銃を離すことが出来ないでいるとスカーがゆっくりと手を解いてくれた。力が抜けた右手から拳銃が離れ、雪の上に落ちた。
間一髪免れたエンヴィーだったが、力尽きたのかどんどん身体が消滅していき、最後に残った姿は見るからに小さく、人とも言えない恐ろしい化け物になった。
その姿を見たサヤは身体全身から力が抜けるように足が崩れ落ちる。
もう大丈夫だと判断したスカーは成れの果てとなったエンヴィーの尻尾と言えるような部分を掴んで捕らえた。
視線の先はマルコー。
彼は誰よりもボロボロだった。
「勝ったぞマルコー。」
戦いは終わった。
だがこれはまだ序章に過ぎない。
熾烈を極める戦いはこれから始まるのだ。
しかし今は一時の勝利を噛み締めるマルコー達であった───。
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