23話
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「うるっさいなぁ。まだぐだぐだ言う元気があるなら黙らせてやろうか」
『それ以上喋るなエンヴィー』
「ふん。お前はそこで黙って見てろよ。よぉし、あのイシュバール人のスラムをぶっ潰してやる。生きのいい女子供を中央に連れて行って賢者の石の材料にしちゃおうか」
ぞくり、と思わず鳥肌が立った。
生きた人間を使って賢者の石を作る。
以前もそうやってたくさんの人間が石にされてしまった。
その現場を##NAME1##は数回だが見たことがある。あの後しばらく気分が優れなかったのを覚えている。
マルコーの部下までも賢者の石にしてしまったとエンヴィーは言った。
「なん…、私の部下までも…」
「何を今更悲しむことがある?今までさんざん賢者の石を作ってきたんだろ?」
人の命を使ってさぁ?
その言葉がマルコーにとって何より重く鋭い刃となり彼の心をえぐった。
周りも承知のことゆえ何も言い出せず。
慰めもフォローも出来ない真実。
『目を背けるなマルコーさん!』
「…!」
誰も何も言えなかった。
そんな中、サヤの言葉がマルコーの目を覚まさせる。
『犯した罪は消えはしない。だが、これから先何をするかは貴方が決めるんだ!前に進むことを恐れるな!貴方にしか出来ない事があるはずだ!』
普段の彼女からは想像もつかない力強い言葉だった。
自分にも犯した罪はある。だが、それを背負って前に進むべきだと教えてくれた人がいる。
それはマルコーにも同じことが言えた。
サヤはそれを伝えたかった。
サヤの言葉で絶望していたマルコーの瞳に力が戻っていく。
「…そうだ。私は多くの人を犠牲にして賢者の石を作った。…そうとも。この国の誰よりも石の作り方を知っている。」
作り方を知っているということは…、
「壊し方も知っているということだ!」
「……!」
バシイィ!!
今まで見たことがない錬成反応だった。赤い光の錬成反応がエンヴィーの身体を駆け巡る。
「ぐあぁ!!」
その凄まじさは言葉では語りきれないほど。遠くにある麓のスラムにさえその様子を見ることが出来たくらい。
スラムの人達はきっと驚いている事だろう。
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