月　日・…
















悪夢のようなの出来事が起きた…―。

否、夢であったらどんなによかったか…、
　
　
　
ニーナ……、アレキサンダー……、
　
　
　
　
　
　
　
ごめん…、ごめん…ね…。
　
　
　

　
　
　
　
　
　
　
　


＊　
　
　


流れた涙がインクを滲ませた。
もう…頭がぐちゃぐちゃだ…。
何もしたくない。

ある日。いつものようにタッカー邸に行ったエドワード達。しかしそこでは悪夢のような出来事が彼らを待っていた。
そこではまさしく地獄との呼べるだろう悪魔の所業の実験が行われた。
タッカーさんが行った禁忌…。著しかった合成獣の研究に自分の娘と犬を使って錬成した。
　
　
　
もちろんタッカーさんは中央で裁判にかけられるそうだ。
ニーナ…もだいたい予想出来る…。軍の研究所に入れられるだろう。
…今の私や、エドワード達でもあの子を元に戻せない。
　

どうにかならないだろうか、と何度も頭で考える。

考えて考えて考えて。

それでも何も浮かんでこない。あまりに私は無力。
これじゃ実験台扱いが落ちだ。どうにもできない、そんな事をぐるぐると考えていた。
　
　
　
　
──しかし事件は立て続けに起こった……。












『………殺さ、れた…？
　
　い、一体誰に…っ！？』
　
　
　
タッカーさんとニーナに会いに行こうとしたら止められた。


そして聞かされる新たな事実。





　殺された──…と。








　 ━━東方司令部━━







　　スカー
「《傷の男》？」


「あぁ。素性が分からんから俺達はそう呼んでる」



死人を連れて裁判かけろってか？と小言を漏らしていたのは中央からタッカーさんを迎えにきたヒューズ中佐と付き添いのアームストロング小佐。

タッカーさんとニーナを殺した犯人に覚えがあるという。何でも神出鬼没の国家錬金術師殺しだそう。




『スカー…。』



そうか…。お前が…、

無意識に両手を握りしめる。




「“傷の男”…。素性どころか武器も目的も不明にして神出鬼没。ただ額に大きな傷があるという事くらいしか情報がないのです。」

「今年に入ってから国家錬金術師ばかり。中央で5人、国内だと10人はやられてるな。」

「…あぁ。東部にもその噂は流れてきている。」



最近では「鉄血の錬金術師」グラン准将が殺されたらしい。とヒューズ中佐が言う。
驚くマスタング大佐曰く「軍隊格闘の達人」だそうだが。
そんな人でも殺されてしまうくらいやばい人物らしい。

出会ってしまえばまず私でも太刀打ちできないだろうな、と思った。


ヒューズ中佐はマスタング大佐に護衛を増やして大人しくしててくれ、と言った。




「お前さんもだぞ。」


『えっ…、あ…、自重します。』



大人しく聞く私にヒューズ中佐は安心の顔をするが別の問題が発生した。
　
東部で有名な国家錬金術師がもう１人いるのだ。


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