23話
夢小説設定
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『私は知っているぞエンヴィー。ヒューズさんを殺したのがラストではなくてお前だということを』
「…!なんでそれを…」
中央で入院していたとき、エンヴィーはサヤにヒューズ中佐を始末したのはラストだと言った。
その言葉を信じ込んた自分はラストに問い詰めたことがある。
本当にラストが始末したのか、と。
だが彼女は笑ってあんないい男を仕留め損ねて残念だったわ、と言った。
その時悟った。
結局ヒューズさんを殺したのはエンヴィーだということを。
『ラストが言ってた。仕留め損ねて残念だった、と。』
「ちっ…ラストのやつ…。で、どーすんだよ。敵でも打とうってのか?」
『そのつもりだ。さんざん人をゴミ呼ばわりしてきたお前が今度はゴミカスになる番だ!』
「やれるもんならやってみろよ!」
攻撃態勢に入ったサヤを狙ってエンヴィーの長い舌が伸びる。
まっすぐにサヤのところへ来るかと思いきや、直前で曲がりその先はなんとマルコーがいた。
『…!マルコーさん!』
「遅いね!」
サヤを狙ったふりをしてマルコーをエンヴィーが狙う。
舌に絡め取られ、マルコーは身動きが取れなくなってしまった。
『くそ!エンヴィー!』
「はっはァ!捕まえた!」
「ドクター!」
雪に足を取られて思うように動けない。マルコーを捕えられたサヤ達はその場から手を出せなくなってしまった。
動けばただでさえ民間人であるマルコーが殺されてしまう。
「おおっと動くなよ。このままボキッとやっちゃうよ。さぁて言う事を効かないクズにはちゃんと教えてやらないとね」
『マルコーさんを離せエンヴィー!』
「あぁ?何言ってんの。油断したお前が悪いんだろ?サヤはいつもそーだよね」
『くっ…』
「言ったろ?ドクター。余計な事したら村ひとつ消してやるって。」
「そんな事はさせん…っ」
「まだ抵抗するの?ほんとバカだね」
「…私は上層部の言うがままに賢者の石を作り…貴様らに脅され、ただ嘆き暮らしてきた…」
何もしなかった自分に腹が立つ…、とマルコーは胸のうちを吐き出すようにエンヴィーに言った。
脅され続けて生きてきた人生。今変わらねばこの先きっと自分を変えることなんて出来ないとマルコーは思ったのだろう。
非力な人間ながら彼は今必死に足掻こうとしている。
彼の後悔は計り知れないもの。だからこそもう二度と逃げ出すことをしないと誓い覚悟を決めたのだ。
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