23話
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驚きの表情を見せていたマルコーさんの顔が変わり今は余裕に満ちていた。
すべて計画通りということである。
本当にエンヴィーがここまで来たことに多少たじろいではいたが、今は助けあえる仲間がいることが彼を奮い立たせていた。
「最初から貴様をここに誘い出すのが目的だったのだよ」
ザンパノからマルコーの居所を聞いたエンヴィーはのこのこと北までやってきた。マルコーさんの読み通りである。
「私やサヤちゃんがここにいるとわかれば更なる絶望を与えるために自ら追ってくると思ってね」
「そうだ…、サヤのやつやっぱり裏切りやがったか…。はっ!!ゴミ三匹で何が出来る!ゴミは何人集まろうとゴミでしか…なわ!」
バシィ!と再び錬金術がエンヴィーを襲う。
「地雷式だよ。錬金術は日々進化している」
「そんなバカな錬金術がある訳…なあっ!!」
まさに手も足も出ないとはこの事だろう。一歩踏み出す事に錬金術が発動しエンヴィーを襲う。だがさすがホムンクルスなだけあっていくら傷つけても再生するところを見ると恐ろしくも思う。
「どうだ?カスだゴミだと扱ってきた我々になぶり者にされる気分は?」
「……っ」
1人踊らされるエンヴィーを遠くの物陰からメイとアルが見ていた。
「ふふふ…、騙されてますネ。ただの遠隔錬成ですのニ」
マルコーさんの言う地雷式の錬金術の正体はメイの錬丹術のことである。
数日前にホムンクルスを倒すと言い出したサヤが事前にメイに錬成陣を仕込むよう頼んでおいたのだ。
「降った雪のおかげで仕込みが隠されてラッキーでしタ!」
積もった雪が錬成陣を隠してくれたので視覚で見ることが出来ない状態にしてくれたのだ。
おかけでエンヴィーに地雷式の錬金術だと騙すことが出来る。
本当はそんなものありはしないのだが。
「こ、この…、グズはグズらしく言う事をきいてりゃいいものを…」
相当頭にきたのか、エンヴィーの様子が変わった。
否、変わったのは様子だけではなく。どんどん容姿も変化していく。
「ゴミカスどもが!調子に乗るなよ!!」
「!?」
普通の人間サイズから一変し、見上げるほどの巨体へと変身したエンヴィー。
最近あの姿を見たのはエドとアル、そしてホムンクルスになる前のリンだけだ。
しかし他にスカーとメイがエンヴィーの巨大化を見ている為、対策を打つことが出来る。
「なんだこいつ!?」
「俺達も大概だがこいつぁとんでもねぇ!!」
…たしかに。
合成獣の軍人2人からみてもエンヴィーは化け物と言えよう。
変身したエンヴィーはまっさきにマルコーを尻尾で襲う。
が、その尻尾は空を割くのみでマルコーには当たらなかった。
間一髪で合成獣化したジェルソが素早くマルコーを担いで避けたのだ。
「ちいっ、デブのくせに素早い…」
「へへっゴミカスをなめるなよ」
合成獣化したザンパノの針攻撃に加え、遠隔錬成のメイの攻撃、さらには…
「こんなショボい攻撃が聞くかよ!」
「そうか」
姿を表したのはスカー。
巨大化したエンヴィーの背中から襲う。
「!?」
「ならばこれはどうだ」
スカーの十八番、分解の錬金術。
巨大化しても構成する成分は人と変わらないホムンクルスにもスカーの人体破壊はよく効くとスカーはサヤから教えられた。
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