22話
夢小説設定
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「危機的状況を……」
『裏…、表…、』
アメストリス全土を巻き込む災悪をひっくり返すような何かが…。
「『……逆転だ。』」
アルとサヤが同時に言った。
「!」
「それ!そっくりそのままひっくり返してみて!」
「何?」
『紙の並び位置は変えずにひっくり返すんだっ』
それで答えが出なければ本当にもう打つ手はないだろう。
「なんだなんだ?」
「何が起こるんだ?」
すべてをひっくり返した時、スカーの兄が残した研究の答えがそこにあった。
「……どう?」
『当たり、だな…』
「はイ。これは錬丹術を組み込んで発動すル、新たなアメストリス国土錬成陣でス。」
さっきの国土錬成陣とは全く系統の違う錬成陣が姿を表した。
円をファクターに五芒星を記した錬成陣はまさにシンの錬丹術を組み合わせている。
『これがスカーの兄が残した研究の成果か…。』
「すごいですネ!」
これならアメストリスを救う事が出来る。まさに危機的状況を逆転させた結果だ。
「ひとまず研究書の解読はここまでだな。明日朝一でアスベックという村を目指そう。」
マルコーさんの意見に皆賛成し、今夜はこの廃屋で休むことに。
彼等の逆転劇はここから始まろうとしていた---。
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一夜明けて朝。
雪国の夜明けは一日の中で一番辛い時間帯だとつくづく思う。
またあの寒い中を活動しなくてはならないのだから雪国の生活は大変だとしみじみ思った。
そんな気持ちを一行も抱えつつ、再びアスベックの村をスカーの道案内を宛に目指す。
どこもかしこも雪に埋もれているので少しでも見落とせば道に迷って遭難してしまいそうな景色を注意深く見ながら進む。
出来ればまた日が落ちる前に村に着きたいという思いで必死に進むサヤ達の願いが通じたかのか、運良く昼過ぎに辿り着くことが出来た。
スカーの言う通り、アスベックの村にはイシュヴァールの民が身を寄せるスラムがあり、彼らは訳ありな一行を快く受け入れてくれた。というより同族であるスカーが居てくれたおかげなのだが。
『薪、これで足りるかな?』
「ありがとう。助かるよ」
ただ世話になるだけでは申し訳ないので各々スラムに住む人達の手伝いをして過ごしていた。
薪はこの寒い雪国で過ごすのに必需品であるためいくらあっても足りないくらいなのでとりあえず薪拾いから手伝う。
マルコーさんは本職である医者としてスラムの人達を診ていた。
ウィンリィは家事などを、ヨキはちょうどいい子供相手に。
力持ちな合成獣の軍人ジェルソは薪割り。ザンパノは食料調達。そしてスカーと何故か引っ付いて行ったサヤは近場の林の中で薪拾いをしていた。
何気なく過ごす日々。
しかし彼らの反撃の作戦はすでに決行されていたのだった---。
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