21話
夢小説設定
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「おーい、みんな来い!出口だ!」
坑道の内部を探りに行っていたヨキが戻ってきた。無事、山を越える出口を見つけてきたようでみんなを呼ぶ。
「わぁっ」
「まぶしっ」
出口から差し込む太陽の光。
どうやら吹雪を無事やり過ごすことが出来たようだ。
「よかった。良い天気だ」
「早くブリッグズへ向かおう」
遠くでは先ほどまでいた鉱山の街がかすかに見えた。
「よしお前ら私に付いて来っ…おぼぁ!!」
調子に乗ったヨキが張り切って先頭を歩こうとするが、吹雪で積もった雪は意外と深く。
『大丈夫か?』
「意外と雪が深いな」
慣れない雪道を手探りで進む中、サヤはふと辺りをキョロキョロと見渡した。
「どうした」
と、スカー。
『いや…、空耳かな…』
今、声が聞こえたような…
「おーーい」
『やっぱり聞こえるっ』
どこだ、と注意深く見回すと雪道から右に反れた雪の中、見覚えるのある足が…。
『うそ!?アル!?』
「たすけてー!」
声の正体はなんとアルだった。
サヤが急いで助けに行こうと一歩雪へ踏み込んだ瞬間…、
ズボっ
『わっ!』
ばふっと足が深みにはまり、雪へ顔面ダイブ。これにはみんなも驚く。
「ちょ、ちょっとどうしたのよ」
「サヤ姉様?」
『冷たっ、…あそこにアルが埋まってるんだっ』
えぇ!?とサヤが指さした所を見ると、ウィンリィとメイが慌てて掘り起こしにいった。
サヤは雪の深みにはまり身動きが取れないでいると誰かに後ろからひょいっと持ち上げられた。
「つかまれ」
『!…スカー。あ、ありがとう…』
軽々と持ち上げられると、そっと雪道へと下ろされる。スカーを見上げると、サヤの頭にかかった雪を優しく払いのける彼と目があった。
『雪には慣れてなくて…』
「シンでは雪は降らんのか」
『少しだけ。ここまで積もるのは山間部くらいだ。』
これだけの雪を見るのは初めてだ、と言えばスカーはそうか。とふっと笑うのだった。
『(…笑った…。)』
初めて…見たかも…。
スカーの笑った顔。
ちゃんと笑えるんだと知って何故か安心する自分がいた事にサヤは気付くのだった。
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