21話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『じゃあこの“ラサーヤナ”は?』
「長寿を得る霊薬のことだ」
『なるほど…。』
古代イシュヴァール語というのはなかなか面白くて奥が深い。
いやいや今は感動してる場合じゃなくて。
無事キンブリーら中央兵から姿をくらますことが出来た一行はこのまま坑道を抜けてブリッグズ砦に向かう。
今、ヨキが坑道の内部を探ってくれているのでその間の貴重な時間を使って研究書を読み解く。
さすがは武僧なだけあってスカーはイシュヴァールの古い言葉に堪能だった。
「賢者の石のことかな。えーと《卑金属を金に変え、老人を青年に変える》……。」
『この“アウレリアン”は?』
「金を意味する。」
『金、かぁ…』
スカーの協力を経て、研究書を読み解いて初めてわかった。この研究書には不老不死や金についてばかり書かれている。
『今まで見た事のない形式の研究書だ。』
「この書を書いたスカーさんのお兄さんがシンの錬丹術に影響を受けたからですかネ」
「というと?」
たしかスカーもそんなことを言ってた気がする。錬金術を研究するとともに、錬丹術の研究もしていたと。
研究書にもシンの言葉が幾つか取り入れられているのを見つけた。
スカーの右腕の刺青はその研究の成果だ。
「シンでは不死の人を真の人、《真人》と呼びまス。《真の人》イコール《完全な人》で金も《完全な金属》ですから。《真人》イコール《金人》と呼ばれまス。」
『一説にはシンに錬金術を伝えた人物が金の髪・金の瞳の不老不死の男だったからそう呼ばれるようになったとも言われている。』
「へー、金の髪・金の瞳なんてエドとアルみたい」
『…言われてみれば確かに。』
そういえばリゼンブールに行った時、ウィンリィの家で貼ってあった写真を見た。まだ幼いエドと人間の頃のアル。
二人とも金の髪・金の瞳をしていた。
そうだ。それを見て、西の賢者の話を思い出したんだった。
.