20話
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『(スカー……)』
「膿は膿らしく神に救われず腐り、ドブの中に消えるのが似合いなのだろう…」
貴様のような奴がいてくれてよかった
それは彼の心からの本音だった。
こうしている間に本部とも連絡が取れ、そこで待機している“紅蓮の錬金術師”ゾルフ・J・キンブリーがこちらに来ることに。
彼はスカーを追って北の地までわざわざ来たのだという。
気づけば風も強くなっていて。
雪国の天候はよくわからないが、おそらくこのままだと吹雪になるだろう。
「貴様にどんな事情があるにせよ、見逃すわけにはいかない。出る所に出て裁きを受けろ。」
『……、…待って!』
「「---!」」
このままだとスカーが連れていかれてしまう。
サヤは思わず飛び出してしまった。案の定注目を浴びる。
サヤに続いて、マルコーさんとメイも部屋の中に。
「お前っ…なんでここにっ」
「サヤ!?」
驚くエドとアル。
ウィンリィとはすでに会っていたので特に反応はなかったが。
『スカーを連れて行かないで。』
「…誰だ。」
銃口を向けマイルズ少佐が問う。
「待ってくれ少佐。あいつは…」
『私は…、』
―――。
数分かけて事の顛末を話す。
サヤがここにいる理由はさておき、スカーが必要な理由やマルコーさんがここにいることを知られてはいけない理由などなど。
ウィンリィが中央の人質から開放されなければいけないし、これらにエルリック兄弟が加担している事も知られてはいけない。
『…そうだ。』
「そして私は錬丹術の娘を砦に連れて来いと言われている。」
「私ですカ!?」
メイは思わず大柄なアルの後ろに隠れる。
「なにしようってんですカっ」
『メイ、軍に何かしたのか?』
「なにもしてませン!」
「…安心しろ。手厚く迎えろと言われている。」
マイルズ少佐の人相からか、よからぬことを想像してしまいそうになる。
「という事はご一行まとめて密かにブリッグズ砦に匿うのがいいな」
「まてまてまて!こいつ連れてくのか!?」
こいつ、と言って思いっきりスカーを指さすエド。マイルズ少佐に研究書の解読に必要なのだろう。と最もなことを言われるも納得がいかず。
「そんなのオレが許さねぇ!こんな奴とっとと引き渡してっ…」
『じゃあエドが研究書を解読するのか?内乱があったころちんちくりんのクソガキだったお前にイシュヴァールの古い言葉がわかるはずないだろう!』
「ちんちくりん言うな!そういうお前だってオレと変わらねぇだろうが!」
『私はエドより1つ上だ!一緒にするな!』
「たいして変わらねぇだろうが!だいたいなんでスカーの肩持つんだよお前は!」
『そんなこと今は関係ないだろう!時間がないんだ!』
ぎゃーぎゃーと騒ぐエドとサヤ。
状況が状況なだけにさすがに突っ込むものもおらず。
ただ唖然と見守るだけ。
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