02話
夢小説設定
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「──そうか、母親を…」
知ってしまった二人の過去。
こういう時、どう言葉を掛ければ良いのか分からない自分が情けなくて…。
私なんかが知ってよかったのかと思ってしまう。
「彼のこの身体は東部の内乱で失ったと上には言ってあるので人体錬成の事については他言無用でお願いしたい」
「あぁ、いいですよ。軍としてもこれ程の逸材を手放すのは得ではないでしょうから。」
「君も…、」
『!…え…、あ…、はい。分かって、ます。』
ぎこちない返事に首をかしげる大佐だったが、タッカーさんの提示で話は研究室に移った。
「役に立てるかどうかは分かりませんが、ここが私の研究室です。」
「うわぁ…」
『これ…全部タッカーさんが…?』
グロテスクが8割
不気味さが2割
のタッカーさんの研究室。奇妙な鳴き声を上げる合成獣達に若干引引いた。別に可愛いものを期待していたわけでなないのだが、想像よりも遥かに気味が悪かった。
犬のような姿をしつつ、尻尾がトカゲのように長かったり、異様に牙や爪がまるで恐竜のように鋭かったりと普段の生活をするうえでお目にかかるような生き物たちではないということが明らかにわかる。
「いや、おはずかしい。
巷では合成獣の権威なんて言われてるけど、実際の所そんなに上手くはいってないんだ。」
檻に入れられている合成獣をつついてからかいながらタッカーさんの話を聞く。
おっと、危ない危ない…。噛まれるとこだった。
「気をつけろよ」
『!…あ、うん。ちょっと危なかった…』
「…ったく…」
『……。』
何故だろう…。
エドワード達の過去を知ってから距離が気まずくなってしまった。
どんな顔をして、どう接すればいいのか分からなくなったのだ。二人の過去を知ったからって何も変わることなんて無いのに…。
二人の過去を知ったのだから私の過去も話すべきなのか、など色々考えてしまう。
私のどう接すればいいのかわからない微妙な態度にエドワードも気付いたのか、彼もまたどう声をかければいいのかわからず、ますます私との空間が気まずくなった。
「(……やっぱり…、話さない方がよかったかな…)」
タッカーさんに次に案内された資料室。かなりの蔵書の量に少し驚いた。
エドワードと背中合わせにさっそく棚の書物を調べ始める。
アルフォンスは隣の棚を調べている。大佐は仕事があるからと、夕方迎えをよこすといって司令部に戻った。
しかし資料片手にぶつぶつ独り言を言っているエドワードの耳には届いていないだろうな、と後ろでずっとぶつぶつ言ってる奴に私はくすっと笑った。
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