19話
夢小説設定
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『……。』
「……。」
お互い違う意味で言葉を発する事が出来ずにいた所、ひょこっと顔を出したヨキ、マルコー、メイが唖然とした。
「何やってんすか旦那、お嬢」
「スカー、」
「ヨキさン!」
『お、遅かったナ…』
「……、あぁ」
もはやそれしか言えなかった。
と、とりあえず後で謝ろう。(今は無理)
スカーから離れ、クナイを仕舞う。
「研究書はあったか?」
「はい、たしかニ!」
『場所を移動した方がいい、スカー。』
「あぁ、すでにブリッグズ兵に気付かれた。」
「え、」
ようやくスカー達と合流出来た途端、ゆっくり話す間もなく一行は小屋を後にする。
「サヤ、」
『ん?』
スカーが珍しく話しかけてきたかと思えば、上着を1着手渡された。見たところ雪国仕様の上着のようでとても暖かそうな作りだ。
『これは?』
「ブリッグズ兵から借りたものだ。着ていろ、」
『なら、スカーが使えばいい。私は寒さには慣れているから…』
「己れでは大きさが合わん。」
あ、そっか。と妙に納得。
スカーは体格のいい大柄だから、普通サイズじゃ着れないか。
だが、たとえ鍛えているからといって寒いものは寒いはずだ。
お言葉に甘えて上着は使うが、代わりにサヤは自分の赤色のマフラーをスカーの首に背伸びして掛けてやった。
『それだけではあなたも寒いだろう。私はこの上着を使うからマフラーを貸してあげる。』
「……。」
ほんのりと温もりが残るマフラーが彼の首を防寒してくれる。
『先に言っておくが貸すだけだからな。それけっこう気に入ってるやつだから…』
少し照れくさそうにもごもごと話すものだから、その先は聞き取れなかったが彼女の好意に素直に受け取る事にした。
「わかった。必ず返そう、」
『うん。あ、それと…』
「なんだ」
嬉しそうな顔を見せたあと、今度は少し気まずそうな顔を見せたサヤ。
『その、さっきはごめんなさい…』
「…….。」
『一週間も経つのになかなかスカーと合流出来なくて少し不安になってものだから…』
「かまわん。警戒心が無いよりはマシだ。さっさと行くぞ」
ぶっきらぼうな、でもさり気なくフォローしてくれていることにサヤは気づく。
抱えていた不安もいつの間にか消え、マフラーを巻き直すスカーの後をサヤは急いで追い掛けるのだった。
不思議….、
あんなに不安で落ち着かなかったのに。
あなたの顔を見たとたん、どこかへ飛んで行ってしまったようだ。
あなたが言った“生かされた意味”。
私が一体何をすべきで、何をしたいのか。
彼と一緒なら見つかりそうな、そんな気がする。
『(がんばろう…、私。)』
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