19話
夢小説設定
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「うーん、やはり読めんな…」
「だめですカ?」
『これは…ラサーヤナ?と読むんだろうか…』
「うん、これは昔のイシュヴァール語のようだ」
『古代イシュヴァール語、か。さすがに私達ではわからないな…』
やっかいなことに肝心な部分が古代イシュヴァール語で隠されているため、これ以上自分達だけでは読み解くのは不可能に近かった。
「まいったな…、文字自体が読めないのでは暗号も解けない」
「お手上げですカ…」
「スカーがいれば読めるかもしれない。イシュヴァールの僧なら古い言葉を知っている可能性が高いからな」
『これ以上の解読は不可能ということですね。スカーを待つしかないか…』
「スカーさん何かあったんでしょうカ…」
スカーの身を心配するメイはふと窓の外を覗く。そこは変わらずの雪景色のみが広がっているだけ。だが、ここに一週間滞在している自分たちの身もそろそろ危うくなってきているのも確実。
『メイっ、不用意に顔を出してはいけない。誰に見られるかわからない』
「ご、ごめんなさイ…っ。でも、もう一週間も経つのに合流出来ないなんテ…、心配でス。」
自ら危険を買って出たのだ。なにかあったのではないかと、心配にもなる。
かくいう自分もそうなのだが。
『……、!』
その時、サヤは気配を感じた。同時に雪を踏みしめる足音も。
危険を感じて、マルコーさんとメイに物陰に隠れるよう指示する。
「どうしたんですカ?」
『静かに…。』
突如、部屋全体に緊張が走る。
入り口のそばに身を潜めたサヤは手にクナイを握りしめる。
ブリッグズ兵だろうか…。
だとしたらもうここに留まるのは危険だ。
スカーには悪いが、簡単なメッセージだけ残して場所を移さなくては…。
そう考えているうちに、足音がだんだんと近くなり、ついに入り口の向こう側で止まった。
足音からして、2人。
ブリッグズ兵は怠けた中央兵と違って優秀と聞く。
そして、ドアがぎぃっと開いた瞬間―――、
『―――はぁ!』
「…っ!?」
死角から狙ったクナイはぎりぎり交わされてしまい、クナイを持つ腕を掴んで止められた。
止められた!?と内心驚くサヤ。それもそのはず、足音の正体はブリッグズ兵などではなく、待ち人のスカー、その人。そして共に行動していたヨキであった。
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