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短文集【王天編】


空を見上げると大量の風船が視界を覆い尽くす。
その光景に目を奪われていると誰かに抱きつかれた。
背丈が小さくてそれに似合わないくらい大きな黒い帽子。マントと足に巻き付くベルトを翻した姿のキミを俺は知っている。

「総統さん、なにしてるんすか?」
「にしし、天海ちゃんにプレゼント!」

そう笑って紫色の風船を手渡される。かわりに彼が持っている風船の色は俺の髪に似た緑色。

「オレの色、無くしちゃダメだよ。オレも天海ちゃんの色無くさないから。絶対に。」
「は、はい、っす。」

まるで口説き文句のような言葉に思わず照れてしまう。そんな俺の様子を見た彼は満足そうにまた走って行った。
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