私はアメリカから日本に向かう飛行機に乗っている。
消灯時間になったが目はパッチリしている。
隣には目を閉じた工藤夫妻。
　




　





　あれは繰り返し繰り返し『名探偵コナン』の二次元小説を読んでいた何日目か。
目が覚めると知らない天井と太陽の光が目に飛び込んで来た。
なぜか体が動かない。
病気が悪化したと思い冷や汗をかいたが、頭がと肋骨と足に包帯が巻かれていた。
起き上がろうとするとメイドさんに制止されて呼ばれて来た医師にこう説明された。

「11月25日に交通事故にあい１ヶ月眠っていました。リハビリをすれば家に帰れます。安心して下さい。」

　しかも早口の英語で、だが全て理解出来てる。
そばにいたメイドさんが気の毒そうに
『旦那様と奥様は、お亡くなりなりました。葬儀も終わってしまったます。』

今度は日本語で…でも頭の中では『はぁ？？』となっていた。



　退院して家というよりも屋敷という言葉がふさわしい所が住まいだった。
部屋もとんでもなく豪華で唖然としたが、名前とルックス以外を知りたくて、色々探していると次のことが分かった。

財閥系令嬢である。
名前は潮音。
15歳でスキップを使い大学を卒業している。
住んでいるのはアメリカ。
祖母と2人暮らし。（メイドさんや執事はいるが…）
新宮寺潮音の体に私が入ってしまったのが事故から目覚めた時らしい。
幽体離脱のすごい特殊番みたいなものかな？
以前と性格が違うらしく少々周りを困惑させてるみたい。（ピアノやバイオリンを弾くと周りが安心する）これが日常だったんだろう。
これは入院時も思ったが、見る夢がほとんどカラー。
妙に現実みがありストレス。


それとこれが1番重要
どうやら『名探偵コナン』の世界みたい。


　部屋に工藤優作さんの小説がありました。

しかも英語版のが…
小説は好きだけど思い出がない。
音楽に浸ってる方が好き。
好きにピアノやバイオリンを弾いたりクラシック音楽にをかけていた。


　この世界なら来る前にも何日も夢で見ていた黒雲の夢を見出して5日めの朝に出来事が起こった。
『午後に工藤夫妻がみえます』こう言われた。
ちなみに黒雲とは、不思議なことが起こる前触れ。
または、物事を妨げる不活なもの。そんな意味がある。
前回は、不思議な事につながったが今回は、どっちに転ぶか？
工藤夫妻ならそう悪いことにはならないでしょう。
ここが名探偵コナンの世界ならね。



　メイドさんや執事たちと工藤夫妻を迎え入れ、祖母がいるテラスまで案内をした。
推測通りに工藤優作さんと有希子さんが訪れた。

今は、コナンの世界ではいつ？
新一からコナンになっているの？
それともまだ新一なの？
部屋に戻ってからも疑問が次から次へと浮かんでは消えていく。


　メイトさんに呼ばれてテラスに顔を出すと祖母から『あなたの今後の事を話していたんだけど、日本に行って中学生として生活するのはどう？ご夫妻のご子息が通っている中学校に編入って話しが上がっているけど、どうかしら？』
『…中学生として日本に行きます。』


　3人には非常に喜ばれ、すぐに人住まいの話しに移った。
有希子さんから工藤邸に住むという案が出されたが、私から謹んでお断りをして、セキュリティーのしっかりしたマンションへと決まったが最後まで有希子さんは『新ちゃんとのほうが安全なのに…』と言っていた。


　これは飛行機に乗ってからだが『下手に違う大学に行っても18歳前に卒業してしまうだろう』という話は3人の一致したら意見だったと優作さんが言っていた。
なんにしても日本着いたら早くだな。
そして編入テストがまっている。






　閑静な住宅達地のマンションに案内された。
「ここなんですね。」
「明日、来るまで迎えに来るからね。」
「ご面倒かけます。よろしくお願いします。」
2人のにそう言っておじぎをして見送った。

今日の工藤邸はにぎやかだろうな。

　明日は編入試験か。
そこそこのレベルの学校だけどなんとかなるでしょう。
という気持ちで夜を迎えた。



　翌日、工藤夫妻が確かに車で迎えに来てくれたが問題は車。
有希子さんが車好きなの忘れていた私は、アルファロメオ.アルファGTに驚いた。
エンブレムは物凄くカッコいいし、車体もきれいなんだけど、絶対に目立つ‼︎
この車で編入試験受けに行くのなんて絶対に目立つ‼︎
この時は、呪文のようならその事だけを頭で唱えていた。



　学校に着くと待っていた教師に案内された教室に入った。
テストというのは何年もたっても変わらないらしく、裏返しから『はじめ』の言葉で問題を解き出した。
　ただ解きながら『こんなにかんたんなのが編入試験？』逆に間違えてないかと不安になるほどだった。
結局休憩を入れても３教科で時間があまりそのらまま終了となった。


　工藤夫妻が入って来た3人で結果を待ってあるとなんと10分後に『275点最高点での合格です』たら告げられた。
漢字問題辺りでミスが出たらしい。
英数は100点だ。
有希子さんに飛びつかれて、ポカンとしていた。

　帰りに制服を作りにいくとやはり、有希子さんに『スカートは短い方が似合う』と言われ規程スレスレの短い丈となった。