第1話 この子は誰?
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部活が終わると潮音は、へとへとになりながら女子テニス部の部室に帰って来た。
壁に背中を預けると座り込んだ。
夏が暑いのは分かっている。
だがテニスに夢中になっていると、その時間はあまり暑さを感じない。
そのせいか部室に戻って来ると一気に熱く感じる。
コートで走り回っているので、長い髪がぐちゃぐちゃになっていた。
それを見て同じく1年の那美が潮音に声をかける。
「潮音ちゃん髪結ぼうか?」
「うん。お揃いにして。」
「了解。」
慣れた手つきで潮音の髪をとかしていたが、ふと那美にいたずら心が芽生えた。
ポニーテールに結び終わった所で潮音の首筋を毛先でくすぐった。
「ひきゃ~~~!!く・くすぐったい~~!那美ちゃん・や・・ゴックン…」
『ゴックン』という音に那美は頭に?を浮かべた。
「何か食べていた?」
「うん。乾先輩にもらった飴。」
『乾先輩』の単語に那美は顔をしかめた。
「ライム味で駄菓子屋さんにありそうな緑の包み…」
なんて言っている内に白い煙に包まれた。
「けほけほ、何この煙?」
「周りが見えない~。」
手をパタパタとしていた。
煙が消えると那美は、口をぱくぱくとしながら潮音を指さした。
潮音は潮音でいつもよりも那美が大きく見えるので、不思議に思えた。
那美が鏡を見せると、そこには小さな女の子がいた。
「な・なにこれぇぇぇ~~~!!!」
潮音の叫び声が聞こえた時、近くを歩いていたのが桃城だった。
普段から妹のように思っている潮音のこんな悲鳴を聞いてじっとしていられなくて、ドアを開けた。
「どうした~~!!潮音?」
潮音の姿を見た桃城が、今度は叫んだ。
「な・なんだぁぁぁ~~~??」
慌てて桃城は潮音を抱えて男子部に走った。
那美も後を追った。
部室についても桃城は声が出ないでいた。
ドアを開けてそのまま立ち尽くしていた。
「い・乾せ・先輩・・・なに渡したんっスか?」
潮音を抱っこしたまま、やっとこれだけを口にした。
奥から乾が眼鏡をキランと光らせながら出て来た。
「アレのことか。で、どうやら成功ってわけだな。陽月。」
「乾せぇんぱいの、バカ~~~~~!!!」
それだけ言うと桃城に抱きついて、声を上げて泣き出した。
部室からは着替えが終わったメンバーが外に出て来た。
目を珍しく大きく開けている者。
指を指しながら、口をぱくぱくとさせている者。
いつも以上にニコニコしている者。
口角を上げている者。
と様々だ。
ちなみに上から海堂・菊丸・不二・リョーマだ。
潮音は、未だに桃城にしがみついて泣いていた。
さすがに立っているのに疲れて来た桃城は座り込んでいた。
このままにしておいたら、いつまでも泣いていそうな潮音にリョーマは話しかけた。
「いいかげん泣き止んでくれない。バカ潮音。」
1度は泣き止みそうになっていたのだが、リョーマを見上げるとまた瞳が涙で、うるうるとしていた。
いつもと反対に見上げられて、しかもそんな泣きそうな目で見られているリョーマの心臓は異常に音を立てていた。
「リョーマくんの意地悪バカ~~~~!!」
「な…」
リョーマが言い終わる前に後ろから声がすると思うと潮音の姿は消えていた。
「かわいいにゃ~~!」
菊丸が抱き上げていた。
「なんなら潮音、家に来る?きっと姉ちゃも兄ちゃんも・・うんん家族みんな大歓迎するにゃ!」
菊丸に抱き上げられているのでリョーマはいつものように見上げて話した。
「そんなの心配いらない。」
「問題あるよ。」
「ないよ。親父はアレだし、母さん達だって話せば分かるよ。」
「・・・うん。」
さっきと同じように少し舌っ足らずで幼い声で話す。
今度は満面な笑みだった。
菊丸の腕から降りると潮音は乾の近くに寄った。
と言っても充分に距離(3m)を取っていた。
「解毒剤ってあるんですか?」
「毒じゃないぞ。まず作ってないぞ。」
キッパリと宣言するように乾は言い切った。
「だ・だったら、いつになったら戻るんですか?」
「まだ分からない。」
「そんなぁぁぁ~~!!」
潮音の悲痛な叫び声が響いた。
帰りはリョーマがおんぶをして、2人分のテニスバッグは桃城が自転車で届けてくれた。
「ただいま。」
「・・・」
「おかえりなさい。リョーマさん・・・あら?その子は?」
出迎えてくれたのは奈々子だった。
見覚えのない小さな女の子が抱っこされていた。
リョーマは、そのまま居間に入って自分の腕の中にいるのが一緒に住んでいる潮音だと話した。
2人はじっと潮音を見ている。
「潮音ちゃん?」
凛子の問いかけにリョーマにしがみついたまま『はい』と答えた。
キャーと歓声が上がり、潮音はすぐに凛子の腕の中にいた。
「面影あるとおもったら、やっぱり潮音ちゃんなのね!またこの大きさで会えるなんて嬉しいわ~!」(父親同士が悪友なので知っている)
「おば様、潮音さんのお洋服買いに行きませんか?」
『お留守番よろしく』と言うと2人は出かけた。
お寺にいる南次郎はまだこのことを知らない。
凛子と奈々子が帰って来ると潮音は2人によって着せ替え人形になっていた。
南次郎も驚きながらも、ひげでじょりじょりしながら笑顔でいた。
夕食も終わると疲れ切っていた潮音は居間で眠っていしまった。
奈々子に起こされ、そのまま風呂に入れてもらい、今度こそ用意された布団で眠った。
壁に背中を預けると座り込んだ。
夏が暑いのは分かっている。
だがテニスに夢中になっていると、その時間はあまり暑さを感じない。
そのせいか部室に戻って来ると一気に熱く感じる。
コートで走り回っているので、長い髪がぐちゃぐちゃになっていた。
それを見て同じく1年の那美が潮音に声をかける。
「潮音ちゃん髪結ぼうか?」
「うん。お揃いにして。」
「了解。」
慣れた手つきで潮音の髪をとかしていたが、ふと那美にいたずら心が芽生えた。
ポニーテールに結び終わった所で潮音の首筋を毛先でくすぐった。
「ひきゃ~~~!!く・くすぐったい~~!那美ちゃん・や・・ゴックン…」
『ゴックン』という音に那美は頭に?を浮かべた。
「何か食べていた?」
「うん。乾先輩にもらった飴。」
『乾先輩』の単語に那美は顔をしかめた。
「ライム味で駄菓子屋さんにありそうな緑の包み…」
なんて言っている内に白い煙に包まれた。
「けほけほ、何この煙?」
「周りが見えない~。」
手をパタパタとしていた。
煙が消えると那美は、口をぱくぱくとしながら潮音を指さした。
潮音は潮音でいつもよりも那美が大きく見えるので、不思議に思えた。
那美が鏡を見せると、そこには小さな女の子がいた。
「な・なにこれぇぇぇ~~~!!!」
潮音の叫び声が聞こえた時、近くを歩いていたのが桃城だった。
普段から妹のように思っている潮音のこんな悲鳴を聞いてじっとしていられなくて、ドアを開けた。
「どうした~~!!潮音?」
潮音の姿を見た桃城が、今度は叫んだ。
「な・なんだぁぁぁ~~~??」
慌てて桃城は潮音を抱えて男子部に走った。
那美も後を追った。
部室についても桃城は声が出ないでいた。
ドアを開けてそのまま立ち尽くしていた。
「い・乾せ・先輩・・・なに渡したんっスか?」
潮音を抱っこしたまま、やっとこれだけを口にした。
奥から乾が眼鏡をキランと光らせながら出て来た。
「アレのことか。で、どうやら成功ってわけだな。陽月。」
「乾せぇんぱいの、バカ~~~~~!!!」
それだけ言うと桃城に抱きついて、声を上げて泣き出した。
部室からは着替えが終わったメンバーが外に出て来た。
目を珍しく大きく開けている者。
指を指しながら、口をぱくぱくとさせている者。
いつも以上にニコニコしている者。
口角を上げている者。
と様々だ。
ちなみに上から海堂・菊丸・不二・リョーマだ。
潮音は、未だに桃城にしがみついて泣いていた。
さすがに立っているのに疲れて来た桃城は座り込んでいた。
このままにしておいたら、いつまでも泣いていそうな潮音にリョーマは話しかけた。
「いいかげん泣き止んでくれない。バカ潮音。」
1度は泣き止みそうになっていたのだが、リョーマを見上げるとまた瞳が涙で、うるうるとしていた。
いつもと反対に見上げられて、しかもそんな泣きそうな目で見られているリョーマの心臓は異常に音を立てていた。
「リョーマくんの意地悪バカ~~~~!!」
「な…」
リョーマが言い終わる前に後ろから声がすると思うと潮音の姿は消えていた。
「かわいいにゃ~~!」
菊丸が抱き上げていた。
「なんなら潮音、家に来る?きっと姉ちゃも兄ちゃんも・・うんん家族みんな大歓迎するにゃ!」
菊丸に抱き上げられているのでリョーマはいつものように見上げて話した。
「そんなの心配いらない。」
「問題あるよ。」
「ないよ。親父はアレだし、母さん達だって話せば分かるよ。」
「・・・うん。」
さっきと同じように少し舌っ足らずで幼い声で話す。
今度は満面な笑みだった。
菊丸の腕から降りると潮音は乾の近くに寄った。
と言っても充分に距離(3m)を取っていた。
「解毒剤ってあるんですか?」
「毒じゃないぞ。まず作ってないぞ。」
キッパリと宣言するように乾は言い切った。
「だ・だったら、いつになったら戻るんですか?」
「まだ分からない。」
「そんなぁぁぁ~~!!」
潮音の悲痛な叫び声が響いた。
帰りはリョーマがおんぶをして、2人分のテニスバッグは桃城が自転車で届けてくれた。
「ただいま。」
「・・・」
「おかえりなさい。リョーマさん・・・あら?その子は?」
出迎えてくれたのは奈々子だった。
見覚えのない小さな女の子が抱っこされていた。
リョーマは、そのまま居間に入って自分の腕の中にいるのが一緒に住んでいる潮音だと話した。
2人はじっと潮音を見ている。
「潮音ちゃん?」
凛子の問いかけにリョーマにしがみついたまま『はい』と答えた。
キャーと歓声が上がり、潮音はすぐに凛子の腕の中にいた。
「面影あるとおもったら、やっぱり潮音ちゃんなのね!またこの大きさで会えるなんて嬉しいわ~!」(父親同士が悪友なので知っている)
「おば様、潮音さんのお洋服買いに行きませんか?」
『お留守番よろしく』と言うと2人は出かけた。
お寺にいる南次郎はまだこのことを知らない。
凛子と奈々子が帰って来ると潮音は2人によって着せ替え人形になっていた。
南次郎も驚きながらも、ひげでじょりじょりしながら笑顔でいた。
夕食も終わると疲れ切っていた潮音は居間で眠っていしまった。
奈々子に起こされ、そのまま風呂に入れてもらい、今度こそ用意された布団で眠った。
1/1ページ