キラとラクスと子供達と海岸から帰ると、１台の黒塗りの車が止まっていた。
降りて来たのマーナさんだ。

「キラ様。」
「マーナさんどうしたんですか？」

　簡単にマーナさんは、キラに事の次第を話した。
内容に２人は驚いていた。
　この事を知っていたいたが政略結婚って言葉が重く響いたのを覚えている。
今聞いても同じだ。
　キラがちらっと私を見る。
目で『知っていたんだね』と言っているのが分かる。
　マーナさんから見えないようにしていたが、私の顔を見るなり驚いた声を上げた。

「ツバキ様・・・？」
「え？」

　もう一度まじまじとマーナさんは顔を見て納得したようだった。
「申し訳ありません。人違いでいでした。キラ様こちらのお嬢様は？」
「シオン・ヒヅキさん僕の彼女です。」
キラに告げられ少し複雑そうな顔をで帰って行った。





　夜中に海から上がって崖を登っている何人かの姿がある。

「準備完了しました。」
「では最終確認をする。目標は少女２名。うち１人は確実に息の根を止めろ。死体は残すな。もう１人の少女は発見次第確保。ただし暴れる場合のみ気絶させる事を許可する。くれぐれも慎重に保護すること。以上だ。」
　




　ピンクちゃんの警報が邸内に響いた。

「しまった今日だったのね。」
半眠りだった私は、飛び起きた。
いつもなら銃を枕の横に置いているのに、今日に限って机の中にしまっていた。
この時に狙われるのはラクスだ。
手早く着替えて合流しないとと考えていると部屋の窓が割られた。

　ガシャン！

　うそ！ザフト兵！！
まだ銃は机の中だ。

「この少女で間違いないな。」
「間違いない。」
私の顔を見て確認を取り合っている。
「ご同行願います。」
「え？」


　マリュー達がいる所に合流したキラは辺りを見回した。
「シオンは？」
問いにバルドフェルドが答える。
「まだ！大丈夫だと思うが。」
「キラ君行って！」
「はい。」

　キラが返事をすると同時にシオンの悲鳴が聞こえた。
「いやぁぁぁ～～～～～」

　キラはシオンの部屋に着くと、勢いのままドアを開けた。
開けると２人の男によって連れ出されそうになっていた。
必死に抵抗しているが、それでも男と女のだ。
力の差は歴然としている。
　キラが入って来たことで、そちらに気が一瞬反れた。
シオンはそれを見のがさなかった。
窓の外にいる男に肘を食らわせた。
室内にいる男はキラによって投げ飛ばされた。
　いくら軍事でもダメージを食らっては、すぐに次行動にでられない。
そこをついて、引き出しから出した銃を撃った。

ドッン！　　ドッン！

　打った数は２発
男たちは断末魔を上げて動かなくなった。
１人１発で確実に仕留めた事になる。
いくら至近距離だとしても、月明かりだけの薄暗い中でこれだけの事をシオンは、やってのけた。
そしてシオンが人を殺めたのは初めてだった。
　キラはこんなにも早くバルドフェルドが言っていたことを、目の当たりにするとは、思っていなかったので、ただ驚くことしかできなかった。
　この時のキラは、シオンの表情を見ていなかった。

「来てくれて、ありがとう。」
「うん。」

　私たちは警戒しながらみんなの元に急いだ。
マルキオ導師がシェルターの解除をしている所だった。
バルドフェルドさんとマリューさんが応戦している。
私も何発か打ち込み、銃を構えたままシェルターに入った。

　ここで換気口からラクスが狙われる。
そう思いラクスのそばによると

「ミトメタクナ～～～イ」
「ラクス！！」

ドッン！！

間に合わない！
銃弾からラクスを守るように、抱きしめながら倒れこんだ。
「つう！！」
肩に衝撃を受けた。

　「シオン！」
ラクスの叫び声と、マリューさんとバルドフェルドさんがの銃が響き合った。

　私の元にキラとアイシャさんが駆け寄る。
キラが息を飲むのが分かった。
「だ・・いじょう・・ぶ。かんつうしている。」
この時キラは、自分も守ってラクスも守ったのに、私は自分を守り切れなった。
「シェルターにに急ぎましょう。」
ラクスはアイシャさんに守られなながら、私はキラに抱き上げられてシェルターに入った。

　シェルターに入るなりマリューは床に座り込んだ。
「コーディネータだわ。」
「あ～あ。しかも素人じゃない。訓練を受けた連中だ。」
ラクスが静かに言う。
「狙われたのは私とシオンですわね。」

その時、大きな振動がシェルターを襲った。
バルドフェルドが大きな声を上げた。
「まだ狙われている。早く奥に！！」

　奥に入るとどこから出したのか、アイシャが救急箱をもって来てシオンの手当てを始めた。
キラがシオンを見なが疑問を口にする。
「なんで２人が狙われたの？」
「それは・・」
シオンの言葉の途中で、一段と大きな振動に襲われた。
バルドフェルドがラクスに問う。
「このままじゃ、ここも危ない！ラクス鍵は持っているな？」

　ラクスが、ぎゅっとハロを抱きしめめる。
するとなぜかシオンの所に跳ねて行った。
急に来れられシオンも驚いたが、ハロは大人しく膝の上に乗った。

「シオン～シオン～」
ハロを見ながら奥の壁を見上げたシオンは、ふらつきながら立ち上がった。
「キラ・・覚悟はある？」
壁を見ながら問う。
「うん。ここで・・みんなを守れない方が・・・辛い。」


　キラとバルドフェルドは壁の扉を開ける。
そこにはフリーダムが。眠っていた。
コックビットが閉まるとシオンは、誰にも聞こえない様につぶやいた。

「また・・彼方は戦場（向かう）にね。
守りたい者達のために・・・」

　キラは守りたい者達のために再び剣を手にした。
その戦う姿はＳＥＥＤを発動中とも合間って、鬼気迫るするものがあった。
そのおかげで、この場にいる全員の命が救われた。