家に着くと真っ先にキラとラクスは、[#dc=1#]の部屋に行った。
だが[#dc=1#]の姿はなかった。
1階に戻るとカリダの『ご飯ですよ』の声がかかった。
「母さん、[#dc=1#]がいないんだ。僕探しに行ってくる。」
家を飛び出した。

「[#dc=1#]お姉ちゃんとキラはなんでいないの？」
1人の男の子がラクスに聞く。
「[#dc=1#]道に迷ったのでキラが探しに行ってるんですわ。」
隣の女の子も気になってたらしくラクスに言う。
「よかった。かえって来るよね[#dc=1#]お姉ちゃん。」
「もちもんですわ。」
ラクスと子供たちの会話を聞きながら大人たちは『何かあった』と感じていた。


　一方キラは暗くなった海岸で[#dc=1#]を探していた。
早く見つけないとと焦り出していた時に雨が降り出した。

　視界が悪い中で名前を呼ばれた。
「キラ君。どうしたのこんな雨の中？」
「マリューさ！[#dc=1#]を見てませんか？」
「[#dc=1#]さん？見てないわ。まさかいないの？」

　キラは慌てるように言葉を出した。
「はい。アルミケースを開けてドッグタグを見てから様子が変で先に家にかえったかと思ってたんですが、いなくて・・・」
「私も探すわ。」

　2人が思い当たったのは、岩場近くの森だった。
森に入ると一段と視界は悪かった。
注意深く木の根元を見て行った。
かなり奥まで来た時に、1本の大きな木の下に何かが見えた。
幹の一部にもみえそうだけど、あれは[#dc=1#]だ。
僕の中で確信しながら走った。
その通りで[#dc=1#]は倒れていた。
「[#dc=1#]！[#dc=1#]！」
マリューさんが着ていた上着を掛けた。


　横抱きにして家に帰ると全員が安堵の表情になった。
医学知識のあるアイシャさんに見せる。
「この子ね。アンディーの言ってた子って。」
「雨に打たれただけ度と思うんですが。」
「体が冷えてるわ。着替えさせないと。」
ラクス達が[#dc=1#]を着替えさせて、着替えた僕とマリューさんがリビングに戻ると、ソファーで[#dc=1#]で眠っていた。

　「それで、何があったんだい？」
バルドフェルドが口を開いた。
「これが原因ですわ。」
「それは昨日[#dc=1#]さんが、持っていたさアルミケースよね。」
「夕方に開けたんです。」

僕とラクスが顔を見合わせてから、ボクが話し出した。

「そのドックタグを見てから、真っ青になって取り乱したんです。」
「なんでそんなに、取り乱したのかしら？」
不思議がるマリューさんに答える。」
「誕生日と血液型が書いてありました。でも写真と[#dc=1#]が言った言葉が気になります。」

　ケースから出したタグを全員が見る。

マリューさんが驚きの声を上げる。
「え？ここに書いてある年号だと、キラ君ラクスさんと同じ年に生まれたって事になるわ。これが原因かしら？」
「年号は別として、他は同じってことね。」
「でなければあんなに取り乱す事はなかったはずです。」
「今は、まだ時期じゃなかったことです。己を知らなければ彼女はいずれ行動が取れなくなります。彼女はなんと言ったのですか？」
黙っていたマルキオ導師が言った。
「『シオン[#dc=1#]』であって『[#dc=1#]シオン』じゃなと言ってましたわ。」
「確かにな～だって彼女は『[#dc=1#]シオン2』と名乗ったんなし、偽名にしても変だ。」

　ここまできて全員が黙ってしまった。
「[#dc=1#]嬢が目覚めて話すまでこの話は、追及しないではいいのではないですか？」
マルキオ導師の言葉に全員がうなづき、解散となった。



「母さん、[#dc=1#]を見ていてくれて、ありがとう。」
「[#dc=1#]んいとってここが家だし、仮だとしても私がお母さんだからね。」
「夜はボクが付いてるよ。」


　僕は横抱きにして、部屋に運んだ。
雨はいつのまにかに上がっていて、月が出ていた。
月明かりの照らされる[#dc=1#]は、人形のように見えた。
『生きてると』確認したくて、ゆっくりキスをした。