2 驚きの現実
名前は?
この小説の夢小説設定テニスの王子様
不二周助の後輩彼女
リョーマと微妙な三角関係
後輩に立海メンバーでます。
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生きていてくれる だけでも
喜びを感じなきゃいけないはず…
視界を遮られたようなところに
いきなり置かれても
現状を神に感謝しなきゃいけませんか?
これ以上
多くの事を望むのは
罰当たりですか?
2 驚きの現実
2日後のお昼休みに手塚先輩がきた。
「朝、病院から連絡があった。不二の意識が戻ったと。」
この言葉だけでも、涙が出そうになる程、嬉しかった。
隣のリョーマくんも。
「良かったじゃん。」
「うん。うん。」
「さっき海堂から提案があって、放課後にみんなで見舞いに行く事になった。」
「珍しいこともあるんっスね。」
周助先輩に会えると思うと退屈だと思っていた、午後の授業もあっという間にに過ぎて行ってた。
ただし、内容は全く耳に入っていなかった。
リョーマくんと先を争うように正門まで行くと、すでに桃ちゃん先輩、大石先輩、菊丸先輩がいた。
「先輩達早いですね。私達も終わってすぐに教室を出て来たのに。」
「そうじ当番じゃなかったからね〜。」
他の先輩達も来て総勢9人。
なんて人数の多いお見舞いだろう。
「何かお見舞いを買ってた方がいいんじゃないか?」
「さすが大石!気がつかなったにゃ。」
「でも桜原がいればなんにもいらないんじゃないスったか?」
「も〜!なに言いだすんですか?私は物じゃありません。」
顔を真っ赤にして頬を膨らませて怒っていても、すぐに笑顔になっていた。
明湖のこんな笑顔を、見るのは不二が入院してから初めてだった。
いつものテニス部の空気が、流れていると誰もが感じていた。
ここに不二さえ戻ってくれば。
結局お店の品は、近くのお花屋さんでみんなでお金を出し合って明湖が選んだ花束になった。
病室が近づくにつれて、明湖の心臓の音が大きくなっていた。
「先に桜原だけ入って、少し2人の時間を楽しむってのはど〜だ?」
目だけを
ニヤケさせながら、桃ちゃん先輩はこんな事を言い出したが、先輩達が頷いてくれたので、一足先に病室に入った。
周助先輩は、ベッドの上だいつもの微笑みを浮かべていた。
ただ、どっかにほんの少しの違和感がある。
だからって言葉にできるほど『何』っていうのが分かる訳じゃなくて、しばらく沈黙が続いてる。
何か話さなきゃ。
2人の同時にことばを口にしようとした明湖の方が半呼吸ずれた。
「誰かな?」
「……」
不二の言葉に明湖は、驚いた。
「しゅう……すけせん…ぱい?」
手にしていた花束を落とす音が、廊下まで響いた。
あまりの驚きでヨロめき、壁にぶつかりそうになった画、外で話を聞いていた、英二とリョーマがいち早く入って来たので、英二が受け止めてリョーマが左手を握っている。
「なにジョーダン行ったんだよ不二〜!桜原じゃん‼︎」
「冗談じゃなくて僕は、初対面だよ。英二か越前の彼女?」
「は〜〜?!なんでそうなるだよ『明湖は、不二の彼女!」
これだけ英二が言っても不二は『キミは誰?』と目で訴えていた。
英二があまりにも騒いだので既に全員が入って来ていた。
それぞれが驚きの表情をしていた。
主治医の話では、明湖を失うかもしれないと思った時の不安と恐怖が、大きかったために記憶を閉ざしてしまった。
極めて珍しい記憶障害だと言う。
話を聞いているあいだ、明湖は、心のここにあらずだった。
この日から、明湖の世界は少しずつ色を失っていったのだった。