13 日差しの中に明日は続いている
名前は?
この小説の夢小説設定テニスの王子様
不二周助の後輩彼女
リョーマと微妙な三角関係
後輩に立海メンバーでます。
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本当の始まりはここからだね
これからは2人で歩いて行こう
13 日差しの中に明日は続いている
あの日、落ち着てから看護師さんを呼んだ。
その間にテニス部のメンバーにもレ㎜楽すると、全員が駆けつけた。
1番早かったのは、案の定越前だった。
来るなり明湖に抱きついた。
明湖はかなりびっくりしていたけど
「心配かけてごめんね。ありがとうリョーマくん。」
こういったのが聞こえて千知善と2人で顔を見合わせた。
今までだったら、こんな時に『ありがとう』なんて言葉は明湖の口からは出ない。
後から来た英二や桃までが明湖に抱きついて、ボクが少々不機嫌になったのは言うまでもない。
皆が来ると越前に言ったのと同じような言葉を言っていた。
翌日の検査も問題なかった。
午後からテスト勉強に追われて、3日後に追試を受けた。
いつもより点数を落としたらしが、元々トップクラスの成績だから余裕でクリアした。
今日は退院日。
ほとんど寝ていた明湖だから荷物は少ない。
マンションまで帰ってくると嬉しそうな雰囲気が伝わってくる。
「周助先輩、一緒にドア開けませんか?」
にこにこしながら言う明湖は、ものすごく幼く見えた。
「いいよ。」
「「せ~の!!」」
2人で開けたのに玄関の靴を見るなリビングに走って行った。
「お兄ちゃ~ん~!」
聞えて来た言葉に頭をひねった。
明湖は一人っ子なに『お兄ちゃん』?
リビングにいくとソファーで明湖が誰かに抱きついていた。
呆然と見ていると抱きつかれていた人物が起き上がった。
「いくら久しぶりだからって彼氏の前で抱きつくのはダメだろ。不二~?」
「その声・・幸村?」
「あたり。」
幸村は明湖を離した。
離された明湖はバツが悪そうにボクに謝ると、お茶の支度にキッチンに行ってしまった。
幸村に聞こうとしたら『明湖が来るまで待って』といわれて、言われて仕方なくそのまま座った。
「お待たせしました。精兄と周助先輩はアッサムティーどうぞ。」
「明湖は香りからして、アップルティーだね。」
「はい。帰る途中から決めていたんです。」
そう言いながら紅茶を飲む姿は、やっぱり幼く見える。
表情が豊かなせいかな。
「さっき聞こうとして幸村に止められたんだけど、どういう関係?」
「精兄はいとこです。私のお母さんのお姉さんが精兄のお母さんです。」
「いとこだったんだ。」
「どんな関係だと思ったの?不二は?」
「親戚関係だとは、思っていたよ。こんな風に家に上がってるんだから。」
「せっかくの退院で、悪いと思ったけど俺も元気な姿が見たかったからな。今年は年末年始と会えないしな。」
「そうだね。」
「さて不二の誤解も解けたし、お邪魔虫は帰るよ。」
明湖は少し寂しげな顔をしていると幸村に頭を撫でられて、はにかんだ様な笑顔を見ている。
油井村が居るのにいつも以上に落ち着いて明湖を見てられる。
今までのボクじゃ考えられない。
玄関まで送っていくと明湖がこんな事を言った。
「精兄ありがとうね。」
「気にしなくていいよ。俺と明湖の仲なんだし。」
「夢でね励ましてくれて『迎えが来るよ』って言ってくれたの。だから独りでいられたんだ。夢で言えなかったから、今ありがとうなの。」
「ふふ。じゃ、どういたしまして。不二下まで送ってくれる?」
「いいよ。」
目が合った時に何か言いたげだ。
しかも明湖には聞かれたくない話だね。
想像はつくよ。
「精兄またね。周助先輩いってらっしゃい。」
「話は何?」
「よくわかったな。」
「それぐらい分かるよ。明湖の事でしょ?」
「ま~ね。今回の事は叔母さんたちに変わって礼を言うよ。ありがとう不二。」
「礼を言われるような事はしてないよ。逆に責められるような事ばかりだよ。」
まともに幸村の顔を見られなくて、顔を伏せた。
「過程はともかく結果的には、明湖は昔の明湖に戻ってくれた。それがなによりも嬉しいんだ。」
「幸村・・・」
不覚にも涙が出そうになった。
「元々明湖も立海大だった?}
「そうだよ。本当に話してないんだな。これからは、色々話すと思うよ。ただ今回とは別に、今後何かあった時は容赦なく立海大に戻すから覚悟しておいて。」
「もしかして他のメンバーとも知り合い?」
「友達だよ。だから覚悟していおいて。」
王者立海大の部長の顔つきだった。
「もう離さないよ。2度と。」
「ふ。そのセリフ明湖に言ってやって。喜ぶから。次は練習試合か大会だな。対戦してみたいよ。」
「ボクも同じさ。待たせてるから戻るよ。」
「また。」
「おかえりなさい。」
「ただいま。」
なんだか新婚煮たいな会話だな。
でも2人きりで明湖の家にいて良いのかな?
なにも言わないけど、まだ彼氏だと思ってくれている。
そう思っていい?
「ねぇ~明湖は・・・ボクのこと・・・」
言葉が出ない・・ここで否定されたら・・
明湖にどんな想いをさせて、そんな境遇に追い込んだか理解しているから、ずるいけど最後まで言えなかった。
首を傾けて下から覗き込んできた。
明湖・・・?
「ずるいです先輩。私が目を覚ました時の言ってくれた言葉は偽りですか?」
『帰って来てくれて、ありがとう。愛してる。』
ボクは何かにの弾かれるように顔を上げると途中で明湖と目があった。
ビー玉のようにキラキラと輝いている瞳。
「あの言葉に偽りはないよ。」
きっぱりと強い口調で言った。
クスっと笑うと、はっきりした口調で明湖が言う。
「もう1度、私と付き合って下さい。不二先輩。」
『不二先輩』明湖?何を言っているの?
もう1度って・・・まさか・・・覚えているの?あの言葉を・・・
震える手を握りしめた。
「ボクで良ければ、付き合って明湖。」
「嬉しい。」
明湖から抱きついて来た。
不意の事だったから支えきれなくて、床に尻餅をついた。
「本当にでポクで良いの?あんな事を言ったんだよ?」
「私は周助先輩が良いんです。」
「ありがとう大好きだよ。明湖。」
「私も大好きです。周助先輩。」
「これからは先輩はいらないよ。」
「え?じゃ・・・」
「呼んで明湖。」
「しゅ・・周助・・・?」
名前を呼ぶだけで恥ずかしそうに顔を赤く染めている。
「かわいいよ。」
引き寄せてキスをした。
久しぶりのキス。
ギリギリのところで理性をなんとか保った。
「おばさん達の所に行く準備しよう。手伝うから。今日泊っても良い?」
『こくん』とうなずいてくれた。
唇に触れるだけのキスをして立ち上がった。
恥かしそうに走って部屋を移動する明湖。
「しゅ・・・周助~~。」
ボクの事を新たらしい呼び方で呼ぶ明湖の声が響く。
また顔を真っ赤にしているのかな?
「クス。今行くよ~。」
リビングのラックの上に飾ってある、真夏の日差しの中で撮った全国優勝の写真が冬の穏やかな陽を受けていた。
ボクたちはどんなに背伸びをして大人ぶっても
結局はまだ子供
感情だけで走ってしまうこともある
些細な事ですれ違ったり
今回の事でいつもは見えなかったり
考えなかった事を色々考えた
子供の時間は短いのに
ハイスピードで物事が廻っていく
ボクが明湖を守ってるって思っていたけど違った
記憶がない時の明湖の想いが
ボクを守ってくれていた
ただこの多感な時期でも
再び気持ちを伝え合う事が出来た
この想いは・・未来永劫の物って信じるよ・・・明湖
これからは明湖の笑顔をボクに守らせて
越前じゃなくて 幸村でもなくて・・ボクに・・・
そしてボクの弱い所は明湖が支えて
2人で歩いて行こう
手を取り合って・・・
口に出して言うのは・・もう少し先
ボクが男として自信を持っ迎えに行ける時まで待っていて
その時は左手の薬指に似合う指輪を持って行くね
愛してるよ・・・明湖・・
完