1 日常の崩れる音
名前は?
この小説の夢小説設定テニスの王子様
不二周助の後輩彼女
リョーマと微妙な三角関係
後輩に立海メンバーでます。
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穏やかな日常が 当たり前だった
理解してくれる仲間がいて
いつも 隣には あなたがいる
なくなる事があるなんて考えたことなかった
1 日常の崩れる音
マンションのエントランスを抜けて外に出るとその人はいる。
「おはようございます。周助先輩。」
「おはよう、明湖」
2人の通う青春学園中等部では、不二周助(3年)桜原明湖(1年)といえば『お似合いのカップル』として有名。
明湖は、1年生ながらテニス部のレギュラーで、夏の全国大会で不二と組んでミクスド優勝をしている。
その上、先輩にも可愛がられるタイプなので、校内の憧れの的の不二と付き合ってきても『明湖ちゃんなら許せる』と言われるほどだった。
が反対に1年生の女子からは、疎まれていた。
しかも明湖の両親は海外赴任中で親戚が大家をしているマンションで中1ながら1人暮らしをしているので『女の子の1人は危ない』と言って不二は、しょっちゅう泊まりに行っていた。
学年も違うしなにかと忙しい2人なので、とても大切な時間となっていた。
そんな事もあり1人暮らしと言っても、寂しさなど感じてない明湖だった。
この日も、なにも変わらずに授業時間が過ぎて、放課後となっていた。
明湖は、教材を抱えて階段を下りっていた。
不二が、階段を下りていくと見慣れた髪と後ろ姿が目の端に映った。
少し急いで行くと思った通り明湖だった。
「明湖。」
これが悲劇の始まりとは、誰もが予想できなかった。
不二から『明湖』と呼ばれるのも
しばらく聞く事ができなくなることも…
「あ、周助せん…ぱいぃぃぃぃぃ〜〜!!」
振り返った明湖は、手に抱えていた物が重かったらしくて、バランスを崩して今にも落ちそうになっていた。
そんな様子がスローモーショーンのように見えていた。
やっとの思いで明湖の腕を掴んだが、反動でボクが階段から落ちていった。
明湖が無事なら、いいと思ったんだ。
この時は、本当にそう思ったんだよ。
あとで何倍もキミを悲しませるなんて……
「いたたた〜〜〜。」
頭を軽く振って辺りを見回した。
「そうだ!周助先輩‼︎」
姿が見えなくて、まさかと思いながら階段の下を見た。
予想はした。
だって私は、なんともなかったから。
それでも信じられない物を見たと言いたい様に明湖の顔色が、どんどんと青白くなっていった。
「周助先輩、ねえ起きて先輩‼︎」
肩をゆらしながら明湖は、叫んでいた。
「ウソ..いやぁぁぁ〜〜〜‼︎」
明湖の絶叫を聞きつけたリョーマが先生に連絡して救急車を呼んでもらい不二は、そのまま近くの総合病院に運ばれた。
処置室に運ばれ、治療を受けてある間中、明湖は胸の前で手を祈るように組んでいた。
その指先は、あまりにも強くて握られていたので白くなっている。
そばにいるリョーマは、その姿がが痛々しく思うほどだ。
2.3年生の先輩たちも集まっていた。
連絡を受けた不二の母と姉(由美子)も到着した。
「申し訳ありません。わ、私のせいで、こんな事になってしまって、本当にごめんなさい。」
「明湖ちゃんは、なにも悪くないわ。だって周助が助けたい立て思って行動した結果なんだからね!」
少しすると主治医が、出てきた。
明湖の心臓が、ドクンと音を立てた。
握っている手がさっき以上に白くなっていた。
万が一の事が頭から離れない。
主治医からの説明は、こうだ。
命に別状は、ないが全身打撲し左足の捻挫と頭部強打だと言う。
最後の頭部強打が気になるのと、まだ意識が戻らないので入院となる。
みんなは、「せめて明湖だけでも会っていけば』と言ったが、明湖は首をふった。
今は、ただただ大きなケガがなかったので、安心のほうが大きかった。
落ちそうになったときに、引っ張られた右手首を胸の前で抱きしめながら心の中で、そっとつぶやいた。
『周助先輩』
この後のジュナンを考えると、ほんのひと時の穏やかな、日常に近いものだった。
誰の考えも及ばない出来事が待っていた。