Ecstasy
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【エデンの世界樹】
___チリン。
貴「…っ…………。」
小さな鈴の音に目が覚めた…。
貴「……ここは?」
そこは、凪のように周りには何も無く、ただ一本の林檎の木だけがある場所だった。
貴「……夢…だよね。……。」
ふと、上を見上げると、赤い林檎が目に止まる。
私は、その林檎が美味しそうにみえた。
そっと、その林檎を枝から、もぎ取った。
貴「…………。」
そして、私は無表情なまま、その林檎を口にした。
貴「……甘い…。」
?「誘惑な蛇が現れるまで、自らの手で禁断の果実を口にするイブは初めてだ。」
貴「!」
私は、声のする方へ身体を向けた。
だけど、周りには誰もいない。
声だけが聞こえる。
?「初めまして、罪深きイブよ。」
貴「…誰なの?」
?「……ヴァンパイアの王と言いたいところだが、君の前では…【神】と言っておこう。」
貴「…神…。こ、ここは何処ですか?罪深きイブってなんですか?」
?「此処は、エデンの世界樹。そして君は今、夢の中に居る。」
貴「…。」
やっぱり、これは夢なんだ。
でも、夢の中にしては、少し雰囲気が違うような…。
?「イブよ。」
貴「!…はい。」
?「アダムとイブの物語は知っているかな?」
貴「…えっと……蛇がイブを誘惑し、禁断の果実を食べたイブは、アダムにもその果実を食べさせ、それに気づいた神は怒り、二人をエデンから追放した。」
?「その通り。そして君は、エデンの世界樹から生まれた、その禁断の果実を誰の手も借りず、口にした。」
貴「…あっ…。」
?「……実の父と大勢の民を殺した大罪…。」
貴「?!」
__ドクン!!
?「………君は、自分が犯した罪を今でも自覚しているか?」
貴「………。」
?「君は、その罪を背負いながら、この先…愛しい人…カルラと共に、生を歩もうと思っているのか?」
貴「………。」
?「君が犯した罪は、許されるものではない。」
貴「キッ…!」
私は下唇を噛み、怒りが込み上がった。
貴「貴方だって、私の助けを聞いても何もしてくれなかったじゃないですか!
私は、昔のように家族と幸せに暮らしていきたかっただけなのに…ずっと独りで縋って来た!
もし、何か助言があれば、あんな事にならなくて済んだのに…。」
?「………。」
貴「でも、あの人は……カルラさんは分かってくれた。認めてくれたから私を家族にしてくれた。例え、拭えない罪を背負ってでも、私はカルラさん達と一緒に生きていく!
何が合っても手放さない!…絶対に!!」
?「では、君はカルラの事を何処まで知っている?」
貴「え?」
?「彼が経験して来たこれまでの事や、彼の真実を君は何処まで知っているのかね?」
貴「えっ……えっと…。」
?「君は、彼の事をよく知らない。そのような答えでは共に行くなど、無に等しい。」
貴「っ………。」
?「……君には【試練】を受けてもらおう。」
貴「?…試練?」
?「難しい事ではない、君は明日から…ある【夢】を見てもらう。カルラの過去についての夢を見せてあげるとしよう。」
貴「カルラさんの、過去…。」
?「彼の真実を知った君は、どちらを選択するかを決めると良い。逝くのか…残るのかを…。」
貴「……。」
?「フフッ…では、私はこれで失礼する。新しい1日の始まりだ。」
ガーン!ガーン!
貴「!!」
耳に響くぐらい、大きな鐘の音が、この世界に響き渡った。
神様の言う通り…
私は、カルラさんの事をよく知らない…。
カルラさんの過去も…。
真実も…。
何も知らない……。