Ecstasy
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【庭】
パジャマから、シン君が買ってきてくれた服に着替え、カルラさんと一緒に夜の散歩に出かけた。
万魔殿?…っという、カルラさん達のお城の前に広がる大きな庭。
夜だけど、沢山の薔薇が咲き誇っていて、庭の中央には噴水があって、とても綺麗な場所。
貴「…………。」
カルラ「どうだ?心が落ち着くか?」
貴「………はい…。」
カルラ「ここの庭は、かなりの広範囲の庭と言っていい。アオイの行きたい場所があるなら、私が案内してやる。」
貴「…はい……。」
行きたいところ……
初めての景色だから、カルラさんと一緒なら、何処へでも行きたい。
薔薇の香りや、噴水の様子とかも間近で見てみたい。
でも正直…今私の身体はまだ怠くて、行きたい気になれない…。
……だったら…。
貴「……あの、カルラさん…。」
カルラ「?どうした?」
貴「……少し、休みたいんです…。」
カルラ「そうか。…ならば、こちらに座れ。」
貴「…はい。」
私はカルラの手に引かれ、近くのベンチに座りカルラさんも隣に座ってきた。
……やっぱり、隣に誰かがいると安心する。
カルラ「まだ身体が重いらしいな、無理する必要はない。帰りたければ私が部屋まで連れてってやる。」
貴「…はい。ありがとうございます…。」
その時だった_。
使い魔「カルラ様。ご報告があります。今、宜しいでしょうか?」
カルラ「報告、なんだ?」
使い魔「こちらへお願いします。」
カルラ「あぁ。アオイ少しここで待っていろ。すぐ戻る。」
貴「………はい。」
__________
______
【アオイ視点】
貴「…………」
カルラさんが使い魔と話している間、私はここで彼が戻って来るのを待っていた。
__あの時のように……。
貴「………!」
いや、あの時じゃない……。
カルラさんが居る所は、私の目の届く範囲で使い魔さんと話してる。
病院の時は先生が一旦離れて行った時、先生の目の届く範囲に居なくて、孤独に押し潰されそうで、あまり良い心地はしなかった…。
それに、シン君が買ってきてくれたこの服。
服がまともに買えなくて、冬の時期でも肩出しのワンピースを着ていて毎日、身体が震えるぐらい、ずっと寒かったのに。
毛糸…ニットのセーターだから、凄くあったかい…//
____ヒラヒラ。
貴「!」
_________
______
【カルラ視点】
私は、使い魔の報告を聞きに彼女から一旦離れる事にした。
アオイの目が届く範囲まで。
カルラ「報告を聞こう。」
使い魔「はい。実は、アオイお嬢様の病状の結果が出ました。」
カルラ「!…その結果とやらは?」
使い魔「血液検査の結果ですが…人肉を口にした事で血液の異常が出ていました。尿検査の結果も余り良くない状態です。」
カルラ「!…その異常の改善はあるのか?」
使い魔「はい。暫く1日1回の1週間は点滴のお薬で回復させる事は出来ます。それから、暫くお肉系の料理は控えさせた方が良いかと…。」
カルラ「…そうか。」
使い魔「それと念の為、お嬢様のカルテをコピーしてきました。一度、目を通して見てください。」
カルラ「……。」
_________
【名前】緋月アオイ
【年齢】17
【生年月日】5月8日
【血液型】O型
【病状等について】
父親から虐待の影響を受け、身体中の傷、痣、火傷の他、重度の精神的な病を患っている。
重度と言う事もあり彼女の精神はかなり脆く、時より錯乱やパニック状態を起こす事があるので、接する際は充分な注意が必要である。
※家族に関わるような話は禁止とする。
_________
カルラ「…わかった。これは私が預かっておく。他に報告はないか?」
使い魔「いえ。以上でございます。」
カルラ「では、もう下がって良い。」
使い魔「はい。失礼いたしました。」
カルラ「………。」
使い魔の報告が終わり、私はアオイの元へ戻ろうとした。
カルラ「!…あれは。」
私が見たものは、アオイの周りをヒラヒラと飛び交う蝶が数匹…。
人間界には存在しない魔界の昆虫で、羽根を光らせ相手の蝶とコミュニケーションを取っている。
ただ羽根を光らせるだけで、害を与えるような事はしないが、私達の庭にやって来るのは久しぶりだな。
カルラ「!」
そして、私は見た。
アオイがその光景に、小さく笑みを浮かべていた。
カルラ「……… アオイ。」
貴「!…カルラさん…。」
カルラ「報告が終わった。この後は、どうする?まだ庭を散歩したいか?」
貴「……いえ。…今日はこの辺で…。」
カルラ「わかった。では、戻るとしよう。」
貴「……はい。」
…ギュッ。
カルラ「?」
貴「…カルラさん。ありがとうございました…。」
カルラ「!」
私の手を握って来たアオイは、私の顔を見てまた小さく笑みを浮かべた。
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_______
【アオイの部屋】
庭から帰って来た私は、自分の部屋の椅子に座り窓の外を眺めていた。
貴「………。」
シン「二人とも、おかえり!コーヒー淹れて来たよ。兄さんもいる?」
カルラ「あぁ。」
シン「アオイも、あったかいコーヒーをどうぞ。」
貴「……ありがとう。」
私は、シン君が淹れてくれたコーヒーを一口飲んでみた。
貴「…美味しい…あったかい…//」
シン「!…お口に合って良かったよ。」
私は、先日入院していた時の事を思い出した。
初めの頃は、ずっとパニックを起こして、ようやく落ち着いて来た日に担当の先生が、コーヒーを一杯淹れてくれた。
あったかい……。
たった小さなぬくもりが、私を癒やしてくれた…。
そこで気付いた…。
私はずっと…小さな事に気づいていなかった。
シン君が淹れてくれたコーヒーを飲んだおかげで、はっきり分かった…。
この、【あたたかさ】があって…私は生きていて良かったと…。
貴「あの……当たり前の事を言っても良い?」
カルラ「なんだ?」
貴「私……ここに住んでも良いんだよね?」
カルラ「!」
シン「そりゃあ、良いに決まってるじゃん!兄さん自身がアンタの為に、この部屋を空けてやったんだからさ。」
カルラ「シン。一言多い。」
シン「そう言う兄さんも、ちょっと嬉しそうにしてるよ。」
カルラ「…//。」
貴「……//。」