___私は突然、カルラさんに手を引き寄せられた。
あまりにも咄嗟に、目を瞑ってしまった。
それにしても……身体の全体が、凄く優しくて心地良い……。
……これは、何…?
私は、ゆっくり目を開けると___。
貴「………えっ…?」
__カルラさんが、私を抱き締めていた。
カルラ「……………。」
貴「………カルラ……さん…?」
カルラ「……無数の人間の血の匂いがする。」
貴「…っ…。」
カルラ「…勾玉。」
貴「え…?」
カルラ「貴様が落として行ったピンクの勾玉に思念が宿っていた……思念……いや、【貴様の心の中】を魔力で観させて貰った。」
貴「……私の……心の中……?」
カルラ「貴様は家族を失い、壊れた父親だけでも、元の生活に戻そうと待ち続けたが、二度と戻る事のない父親に手をかけ、父親とこの町に住む輩を暴食した……。」
貴「………。」
カルラ「手に入れたいモノを満たすために犯した罪……だか、貴様は満足するどころか、罪悪と寂しさが募るだけだった。」
貴「……………。」
カルラ「貴様が人を殺め暴食するのは、自由に外へ出たいだけではない___
【誰かに愛されたかった】のだろう?」
貴「___!!」
カルラ「貴様は、孤独を恐れていた…。離れていく家族や周りの者を食して、皆と共に生きようと自分の腹の中に収めたのだろう?
それが、罪だと分かっていたとしても…。
貴様は今までずっと、独りで寂しかったのではないか?___
アオイ。」
貴「…………。」
カルラさんの言葉で、心の中の暗闇が光が指したような感覚だった。
私は震えた声で、言いたかった事を彼に告げた…。
貴「……私は………ずっと…寂しかった…っ……。」
カルラ「…………。」
貴「…お姉ちゃんが事故で亡くなってから……家族が壊れてしまった……。」
カルラ「……………。」
貴「……いつも、学校の帰りに……ユイちゃんとこの教会に寄って…神様に祈りを捧げに行った……
【家族3人で幸せに暮らせますように】って……
でも、私の祈りに神様は答えてくれない………っ…いくら待っても……家族は戻ってこない……っ………。」
カルラ「……………。」
貴「……優しかったお父さんは、もういない……辛くても私を支えてくれた、お母さんも失踪後に事故で亡くなった……お姉ちゃんが亡くなった日と同じ日にっ…。
お母さんはっ……私を生まれてきた事を望んでいなかった……っ……。」
カルラ「……………。」
貴「私は……家族と幸せになりたかっただけ………もう一度、昔のように家族に愛されたかったのに……っ………うっ………。
殺したくて、殺したんじゃないっ…!
人を殺したから、神様にすら見捨てられてしまったっ!!……っ………うっ……。」
涙声で必死に話す
アオイを、私はもう一度抱き締めた。
カルラ「……やっと、言えたな…。」
貴「…うっ……っ……。」
カルラ「確かに、神は何も語らない。存在すらしない。
___それでも貴様は、神に助けを求め縋り続けてきたのだろう。」
貴「……っ……はい……。」
カルラ「ならば……もう、神に縋るのは止めろ……。
______私に縋るが良い。」
貴「…っ………カルラ…さん…?」
私は、
アオイの頭に手を乗せ優しく撫でてやる。
カルラ「………随分、待たせてしまったな。
アオイ。」
貴「…カルラ……さん……っ…。」
魔族は体温なんてない…なのに、手と腕の温もりを感じる……。
頭を優しく撫でくれる……。
誰かにされたかった…痛みのない、ひとつの愛情……。
ずっと、こうされたかった……。
___ずっと…。
______ずっと。
貴「うっ……うぅっ……っ。」

貴「うわぁぁぁああああああああああああん!!!!」
私は、カルラさんに抱かれながら大声で泣いた。
何もかも、解き放たれたような……
心からくる、感情の涙が零れ落ちた。