シロナ
わたしは、わたしの恋人のことを気軽に他人に話せない。もちろんわたしの貧相なスペックに対して、彼女がビッグすぎるというのもあるし、わたしたちの関係が世間では一般的ではないというのもあるが、なにより大きな理由は、彼女の美しさにある。
「まぶしい……」
思わず言葉が口から漏れる。わたしの恋人、シロナさんはベッドのすぐ隣にあるカーテンを開け、朝日を浴びてきらきらしている。
「ん? なぁに?」
蜂蜜みたいな澄んだ金色のまつげが、美しい灰色の瞳を縁取る。その瞳をやさしく蕩 して、シロナさんはわたしに問いかけた。
対するわたしは、心の言葉が漏れていたことが恥ずかしくて、胸元までかかっていた毛布を顔まで上げて、もごもごと言い訳をする。
「えー? なによ、ほんとに」
「別にい」
「カーテン開けない方がよかったかしら?」
「ううん」
彼女はくすくすと笑いながら、わたしが被っている毛布に手を伸ばす。
「う、わっ」
そのまま毛布を力強くひっぱられて、空いた隙間にするりとシロナさんが入り込んだ。相変わらず上品に笑いながら、シロナさんはわたしを抱きしめる。ちょっと力が強いし、シロナさんはわたしの上に乗っかっているのでくるしい。
「……ん、くるしいよ……」
「うふふふ」
ほんとになにがおかしいんだろう。シロナさんは幸せそうに笑っている。わたしもつられておかしくなってきちゃって、暗い毛布の中、二人でしばらく笑っていた。
「誰が、まぶしいって?」
「…………わかってるじゃん……」
「ふふふ」
シロナさんは少し体を起こして、わたしの瞳をじっと見つめた。
「わたしの、恋人が、まぶしすぎる……」
観念して、目を逸らしながらゆっくり発音すると、シロナさんは一番幸せそうな顔をして、起こしていた体をまた伏せて、重力とともにわたしを抱きしめた。わたしは「ぐえ」と色気のない声をあげて、シロナさんはまた笑った。朝日よりもまぶしい恒星に包まれながら、わたしは再び眠りについた。
「まぶしい……」
思わず言葉が口から漏れる。わたしの恋人、シロナさんはベッドのすぐ隣にあるカーテンを開け、朝日を浴びてきらきらしている。
「ん? なぁに?」
蜂蜜みたいな澄んだ金色のまつげが、美しい灰色の瞳を縁取る。その瞳をやさしく
対するわたしは、心の言葉が漏れていたことが恥ずかしくて、胸元までかかっていた毛布を顔まで上げて、もごもごと言い訳をする。
「えー? なによ、ほんとに」
「別にい」
「カーテン開けない方がよかったかしら?」
「ううん」
彼女はくすくすと笑いながら、わたしが被っている毛布に手を伸ばす。
「う、わっ」
そのまま毛布を力強くひっぱられて、空いた隙間にするりとシロナさんが入り込んだ。相変わらず上品に笑いながら、シロナさんはわたしを抱きしめる。ちょっと力が強いし、シロナさんはわたしの上に乗っかっているのでくるしい。
「……ん、くるしいよ……」
「うふふふ」
ほんとになにがおかしいんだろう。シロナさんは幸せそうに笑っている。わたしもつられておかしくなってきちゃって、暗い毛布の中、二人でしばらく笑っていた。
「誰が、まぶしいって?」
「…………わかってるじゃん……」
「ふふふ」
シロナさんは少し体を起こして、わたしの瞳をじっと見つめた。
「わたしの、恋人が、まぶしすぎる……」
観念して、目を逸らしながらゆっくり発音すると、シロナさんは一番幸せそうな顔をして、起こしていた体をまた伏せて、重力とともにわたしを抱きしめた。わたしは「ぐえ」と色気のない声をあげて、シロナさんはまた笑った。朝日よりもまぶしい恒星に包まれながら、わたしは再び眠りについた。