おまけのおはなし
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合羽橋でお茶碗を買って、急に思い立って髪を切ることにした。
私が髪を切りに行っている間、五条さんには近所の甘味処で待ってもらうことになった。
この甘味処というのが、この界隈でも有名なお店らしい。
散髪を終えてこの甘味処に向い、内心ドキドキしながら新しいヘアスタイルを披露した後。
「さ、この店のあんみつが絶品なの!食べてみて!」
と、五条さんに強く勧められてあんみつを注文した。
それからまもなく運ばれてきたあんみつは、大きなガラスの平皿に、色とりどりの寒天・粒餡・こし餡・白玉・3種のアイス・季節のフルーツ・抹茶のムース・生クリーム・もなか・・・がこんもりと盛られている。
そのボリューミーさに少し引き気味になりながらも、
「いただきます」
と、私はスプーンをあんみつにサクッと差し入れて、そのまま口に頬張った。
「・・・美味しい!」
私は目を見開いた。
「寒天のモキュッとした歯応えと、ホックリした粒餡の食感!こし餡と抹茶ムースが互いの甘さと苦さを引き立て合ってる!アイスの冷たさに少し固くなった白玉がまた美味しい!3種のアイスが目先を変えて、そのまま食べたりもなかと一緒に食べることで、飽きない感じになってて・・・食べ進めると底から現れる杏仁豆腐のサプライズ・・・!最終的には、それらが全て混じり合って、口の中にハーモニーが広がっていく・・・!」
「すごいねー。食レポ完璧。彦摩呂みたい」
「あっ、インスタ用に写真撮るの忘れてた!」
「僕の分を撮りなよ。まだほとんど手付かずだからさ」
と、五条さんは自分の分のあんみつを私の前に差し出した。
「ありがとうございます!」
と、私はスマホを取り出し写真を撮った。
そんな私の様子を見ながら、五条さんが言った。
「でも意外だね。インスタやってんだ?」
「食べたスウィーツの記録用なんです。スウィーツだけで、他のことは何も投稿してないんですけど」
「へー、見てみたいなー。アカウント名は?」
「turusweetsmaniaです」
「ぶっ。ヘンな名前」
「思いつかなくてテキトーにつけただけなんです・・・」
「えーっと、turusweetsっと・・・お、あったあった」
と、五条さんはスマホを操作しながら言った。
「おー、すごいすごい。300も投稿してる。でも、それに対してフォロワー少ないね。15って・・・」
「いいんです。自分用の記録だから」
と、私は今しがた撮ったあんみつも投稿した。
五条さんはスマホを見ながら、何やら思案顔をしている。
「写真のアングル正面だけ?コメントも店の名前だけだし・・・もっと感想とか書けばいいのに。あと、ハッシュタグつけたら?そしたら、もっとフォロワー増えるかもよ?」
「だからいいんですってば。フォロワー数なんて」
「うーん・・・」
しかし、五条さんは納得してない様子。そして。
「ね、スマホ貸してよ」
「え。どうしてですか?」
「僕がもっとばえるように撮ってあげるよ」
「別にいらないです」
「いいから貸してよ」
「あっ」
と、五条さんは強引に私の手からスマホを奪い取るとサングラスを外し、
「イェーイ☆」
と、あんみつの皿片手に自撮りを始めた。
そしてらさらに。
「よーし、投稿完了!」
と言ってから、スマホを私に返した。
「ちょっ・・・!」
私は驚きながら、インスタを見た。
すると、今しがた撮った五条さんのキメ顔自撮り写真がちゃっかり投稿されている。
「しかも、何、このハッシュタグ・・・」
#デートなう
#イケメン
#ハンサム
#美男子
#カッコイイ
#特級呪術師
#現代最強の呪術師
#かっこよさも特級
「呪術師って堂々とハッシュタグ付けて名乗っていいの?!呪術師って隠密家業じゃないんですか!?」
「♪〜(口笛)」
しかし、次の瞬間。
「うわっ!?」
フォロワー数が50、150、300、800、1000・・・と凄い勢いで増えていく。
そして、次々と飛び込んでくるコメント。
『ホント、カッコよ過ぎです!』
『どこのお店ですか?行けば会えますか?』
全くスウィーツに関心がないものばかりだ。
私のインスタを見て、五条さんは満足そうに笑う。
「よかったね。フォロワー増えて」
「よくないですよーっ!めちゃくちゃになっちゃったじゃないですかーっ」
その後、しばらく私のインスタは非公開にすることになりました。
おわり。
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