おまけのおはなし
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「五条さん、これ見て見て!」
と私に言われて、五条さんは私のスマホの画面を覗き込む。
そこには、花ちゃんがハイハイしている様子を撮影した動画が映っている。
私の幼馴染の百合子ちゃんがさっき送ってきてくれたのだ。
「もうこんなことが出来るようになったなんて!」
と私は感動しているけれど、五条さんはピンと来ない様子。
「・・・誰、この赤ちゃん?」
「花ちゃんですよ。百合子ちゃんの赤ちゃん」
「え」
五条さんは驚きの声を上げた。
「百合子ちゃんの?へぇ~、僕が見た時はまだお腹の中だったのに。それが世に出てきてもうハイハイまでしてるの。ビックリだねぇ~」
「そっか。五条さん、花ちゃんに会ったことないんですね」
「そうだねぇ。ま、無事に生まれてこうして順調に育ってて何よりだよ。しかし、人の子は成長が早いねぇ」
「ですねぇ」
と、私は再びスマホの画面に視線を落とした。
花ちゃんは、鼻息をフンフン鳴らしながら高速ハイハイを披露している。
見てると、自然にニコニコしてしまう。
「はぁ~ 、本当にえちゃきなコだわぁ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「えちゃ・・・何?」
「はっ!」
私はハッと我に返る。
すると、五条さんは興味津々に尋ねてきた。
「今、何て言ったの?もしかして方言?」
「あ、はい。金沢の方言で『可愛い』って意味なんです」
「糠田が森って金沢弁圏内なんだ。っていうか、和紗が方言使うの珍しいね。むしろ初めて聞いた」
「五条さんとは主に敬語で話してますからね。それだと方言出ないし。っていうか、私、6歳ぐらいまで京都で生まれ育ったから金沢弁ネイティヴでもないし」
「そう言えばそうだね。でも和紗、京都弁も話さないよね」
「お母さんが京都弁をあまり話してなかったから影響を受けなかったのかも。金沢弁は、糠田が森で暮らすようになって、周りが話してるのを聞いて真似してたら、咄嗟の時は出てくるって感じですかね」
「ふーん」
「あ、そうだ」
私はクルっと正面を向く。
「おじいちゃんや百合子ちゃん達の会話文は標準語表記ですけど、本当は金沢弁なんです」
「何、そのメタ発言。誰に向かって話してんの?」
まぁ、それはさておき、と五条さんは言うと。
「他に金沢弁ってどんなのがあるの?話してみてよ」
「えー・・・。そういうの困るんですけど。英語話せる人に何か英語で話してみたいなノリは」
「何でもいいからさぁ。これぞ金沢弁ってのないの?」
「んー・・・、ねじねーじ。『ねじがないよ』」
「ハハッ。ダジャレだ。他は?」
「ネガねーがんねーがー?」
「アハハッ。それは意味わかった。他は?もっと面白いのないの?」
「えー・・・じゃあ、きんかんなまなま」
「え、まさかの下ネタ?」
「ち、違います!『道の雪が踏み固められて凍ってツルツルな状態』って意味です!」
「そうなの?キンカンのイメージとナマナマって響きがなんかさぁ」
「五条さんのだらぶち!」
「ハハッ。どういう意味?」
「説明しなくてもわかるでしょ」
意味がわかっているのかわかっていないのか、どちらにしろ五条さんは愉快そうにニヤニヤしている。
「なんかグッときちゃったなぁ」
「・・・は?」
「方言を話す和紗に」
と言いながら私の手からスマホを取り上げ、それをセンターテーブルに置いた。
そして、グッと私を抱き寄せる。
私は驚き戸惑う。
「何する・・・」
「ダメ。金沢弁で」
「え・・・」
「標準語話したら、キスするよ」
そんな無茶苦茶な、と反論する間もなく、五条さんは私にキスをひとつした。
まだ不慣れな私は恥ずかしさで戸惑う。
「何するんですか・・・」
「あ、まただ」
「んーっ!?」
今度は少し長めのキス。
「もーっ、何やっとるげんて!五条さんのだら!」
「んー、今ので僕のこと何て言ってるのかわかったぞ」
「・・・五条さんのバカ・・・」
「あ、また」
と、五条さんはまたキスをした。
長くて深いキス。
唇が離れると、私は五条さんの腕の中でクッタリと脱力した。
「・・・だちゃかん。ちょっとまってたいま」
「んー?何ー?」
「・・・もうこれ以上はダメ・・・」
「また話しちゃったね」
「ぐっすい・・・いごくりわるい」
「えー?」
「五条さんは、ズルい・・・意地悪い」
「っていいながら僕のこと煽ってるのは和紗だよ?」
と、五条さんは身体を私の方へ傾けてそのまま押し倒した。
私はボーっとした瞳で五条さんを見上げて、
「私・・・」
「ん?」
「これ以上はもう、私、やちやちんなってしまう・・・」
これ以上キスされたら、私、もうどうすればいいのかわからない。
そう言ったのに、五条さんはどういう意味に受け取ったのか、
「わかった、大丈夫」
キリッとした顔で頷いた後、ガバッと私に覆いかぶさってきた。
「安心してやちやちんになっていいから!」
「ちょーっ!?」
絶っっ対!間違った意味で受け取ってる!!
おわり
と私に言われて、五条さんは私のスマホの画面を覗き込む。
そこには、花ちゃんがハイハイしている様子を撮影した動画が映っている。
私の幼馴染の百合子ちゃんがさっき送ってきてくれたのだ。
「もうこんなことが出来るようになったなんて!」
と私は感動しているけれど、五条さんはピンと来ない様子。
「・・・誰、この赤ちゃん?」
「花ちゃんですよ。百合子ちゃんの赤ちゃん」
「え」
五条さんは驚きの声を上げた。
「百合子ちゃんの?へぇ~、僕が見た時はまだお腹の中だったのに。それが世に出てきてもうハイハイまでしてるの。ビックリだねぇ~」
「そっか。五条さん、花ちゃんに会ったことないんですね」
「そうだねぇ。ま、無事に生まれてこうして順調に育ってて何よりだよ。しかし、人の子は成長が早いねぇ」
「ですねぇ」
と、私は再びスマホの画面に視線を落とした。
花ちゃんは、鼻息をフンフン鳴らしながら高速ハイハイを披露している。
見てると、自然にニコニコしてしまう。
「はぁ~ 、本当にえちゃきなコだわぁ」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「えちゃ・・・何?」
「はっ!」
私はハッと我に返る。
すると、五条さんは興味津々に尋ねてきた。
「今、何て言ったの?もしかして方言?」
「あ、はい。金沢の方言で『可愛い』って意味なんです」
「糠田が森って金沢弁圏内なんだ。っていうか、和紗が方言使うの珍しいね。むしろ初めて聞いた」
「五条さんとは主に敬語で話してますからね。それだと方言出ないし。っていうか、私、6歳ぐらいまで京都で生まれ育ったから金沢弁ネイティヴでもないし」
「そう言えばそうだね。でも和紗、京都弁も話さないよね」
「お母さんが京都弁をあまり話してなかったから影響を受けなかったのかも。金沢弁は、糠田が森で暮らすようになって、周りが話してるのを聞いて真似してたら、咄嗟の時は出てくるって感じですかね」
「ふーん」
「あ、そうだ」
私はクルっと正面を向く。
「おじいちゃんや百合子ちゃん達の会話文は標準語表記ですけど、本当は金沢弁なんです」
「何、そのメタ発言。誰に向かって話してんの?」
まぁ、それはさておき、と五条さんは言うと。
「他に金沢弁ってどんなのがあるの?話してみてよ」
「えー・・・。そういうの困るんですけど。英語話せる人に何か英語で話してみたいなノリは」
「何でもいいからさぁ。これぞ金沢弁ってのないの?」
「んー・・・、ねじねーじ。『ねじがないよ』」
「ハハッ。ダジャレだ。他は?」
「ネガねーがんねーがー?」
「アハハッ。それは意味わかった。他は?もっと面白いのないの?」
「えー・・・じゃあ、きんかんなまなま」
「え、まさかの下ネタ?」
「ち、違います!『道の雪が踏み固められて凍ってツルツルな状態』って意味です!」
「そうなの?キンカンのイメージとナマナマって響きがなんかさぁ」
「五条さんのだらぶち!」
「ハハッ。どういう意味?」
「説明しなくてもわかるでしょ」
意味がわかっているのかわかっていないのか、どちらにしろ五条さんは愉快そうにニヤニヤしている。
「なんかグッときちゃったなぁ」
「・・・は?」
「方言を話す和紗に」
と言いながら私の手からスマホを取り上げ、それをセンターテーブルに置いた。
そして、グッと私を抱き寄せる。
私は驚き戸惑う。
「何する・・・」
「ダメ。金沢弁で」
「え・・・」
「標準語話したら、キスするよ」
そんな無茶苦茶な、と反論する間もなく、五条さんは私にキスをひとつした。
まだ不慣れな私は恥ずかしさで戸惑う。
「何するんですか・・・」
「あ、まただ」
「んーっ!?」
今度は少し長めのキス。
「もーっ、何やっとるげんて!五条さんのだら!」
「んー、今ので僕のこと何て言ってるのかわかったぞ」
「・・・五条さんのバカ・・・」
「あ、また」
と、五条さんはまたキスをした。
長くて深いキス。
唇が離れると、私は五条さんの腕の中でクッタリと脱力した。
「・・・だちゃかん。ちょっとまってたいま」
「んー?何ー?」
「・・・もうこれ以上はダメ・・・」
「また話しちゃったね」
「ぐっすい・・・いごくりわるい」
「えー?」
「五条さんは、ズルい・・・意地悪い」
「っていいながら僕のこと煽ってるのは和紗だよ?」
と、五条さんは身体を私の方へ傾けてそのまま押し倒した。
私はボーっとした瞳で五条さんを見上げて、
「私・・・」
「ん?」
「これ以上はもう、私、やちやちんなってしまう・・・」
これ以上キスされたら、私、もうどうすればいいのかわからない。
そう言ったのに、五条さんはどういう意味に受け取ったのか、
「わかった、大丈夫」
キリッとした顔で頷いた後、ガバッと私に覆いかぶさってきた。
「安心してやちやちんになっていいから!」
「ちょーっ!?」
絶っっ対!間違った意味で受け取ってる!!
おわり