第39話 死滅回游について
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「硝子さん、大丈夫?」
「あぁ・・・。それよりアイツは・・・陰キャ天パ野郎は?」
「え。それって陵先生のことですか?」
「他に誰だと思うの」
「彼ならそこに・・・」
と、乙骨君が倒れている陵先生を指さす。
その姿を見て、硝子さんは安堵したように息をひとつ吐いた。
「何があったんですか」
伏黒君の問いかけに、硝子さんは「あぁ」と頷いてから語り出した。
「医務室で眠っていたはずが、少し席を外している間に姿が消えていて。探し回っていたら、オペ室にいて、こともあろうかメスで自殺を図ろうとしやがったから、食い止めようと揉み合っているうちに呪霊が顕現して・・・」
「そんなことが・・・」
「あんた達が止めてくれたんだね、ありがとう」
「とはいえ、いつ再び顕現して暴走するかわからない」
伏黒君が言った。
「さっき話し合っていたんですが、彼のことは封印の間でしばらく隔離監禁するのがいいんじゃないかと」
その言葉に硝子さんは深く頷く。
「ああ、そうだね。伊地知に来るように電話する。アイツは封印術が得意だし」
「お願いします」
そうして私達は陵先生を封印の間で運び、伊地知さんが封印を施すのを見届けた。
「これで・・・大丈夫だと思います」
と伊地知さんが陵先生に施した封印術は、全身を呪文が書かれた包帯でぐるぐる巻きにしたうえ、梁や柱に繋ぐというものだった。
その姿を見て、悠仁君が無邪気な感想をこぼした。
「まるでミイラか蜘蛛に捕まった獲物みたいだね」
「すみません、強固なものにするために少々荒っぽいやり方になっていまいました」
「でも、伊地知さんの封印術の腕は確かですから」
乙骨君が言った。
「教わるのも五条先生よりもわかりやすかったですし」
そうなんだ(でも、なんとなくわかる気がする)。
「いや、そんな、五条さんよりもだなんて、畏れ多いです~」
と褒められて照れている伊地知さんをよそに、
「『みささぎ』のことも気掛かりだが、予定通り天元様のところへ行こう」
と、伏黒君が言った。
私は少し考えを巡らせた後、
「・・・私はここに残る。みんなは九十九さんと一緒に天元様のところへ行って」
と、私はみんなに言った。
それを聞いて、悠仁君は目を瞬かせる。
「でも和紗さん、五条先生の封印の解き方のこととか聞きたいんじゃ・・・」
「でも、陵先生が目を覚ました時、誰かそばにいた方がいいと思うから」
「それがいい」
悠仁君の言葉を遮り、伏黒君が言った。
「全てのことにケリがつくまで、鶴來さんはずっとここにいた方が良い」
その言葉に私は目を瞬かせた後、慌てて口を開いた。
「ずっとって、私、そんなつもりは・・・」
「それでいいんだよ。俺はまだアンタが『死滅廻游』に関わることを認めてない」
「なにそれ。認めないって、私が行動するのに伏黒君の許可をもらわなきゃいけないの!?」
「別に許可とかそんなんじゃなくて・・・」
「伏黒君が認める認めない以前に私は・・・!」
とにわかに口論になりかけたところで、
「ちょっと、二人ともストーップ!」
悠仁君が私達の間に入り諫める。
「和紗さんの言う通りだよ、伏黒オマエ、和紗さんの何なんだよ」
「俺はただ・・・」
「とはいえ」
次に口を開いたのは脹相だ。
「状況は一刻を争う。和紗が今後どう行動するかはさておいて、俺達は天元のところに急ぐべきだろう」
その言葉に、
「そのとおりです」
と乙骨君が相槌を打つ。
「・・・・・・」
まだ何か私に言いたげな伏黒君だったが、脹相がさっさと行ってしまい、それに乙骨君と悠仁君も続いたので、追うように行ってしまった。
硝子さんと伊地知さんも、負傷した術師の健診するため封印の間を後にした。
それから一時間ほど経ったくらいだろうか。
「Hi!」
と九十九さんがやって来て、ひょっこりと扉から顔を覗かせた。
「あぁ・・・。それよりアイツは・・・陰キャ天パ野郎は?」
「え。それって陵先生のことですか?」
「他に誰だと思うの」
「彼ならそこに・・・」
と、乙骨君が倒れている陵先生を指さす。
その姿を見て、硝子さんは安堵したように息をひとつ吐いた。
「何があったんですか」
伏黒君の問いかけに、硝子さんは「あぁ」と頷いてから語り出した。
「医務室で眠っていたはずが、少し席を外している間に姿が消えていて。探し回っていたら、オペ室にいて、こともあろうかメスで自殺を図ろうとしやがったから、食い止めようと揉み合っているうちに呪霊が顕現して・・・」
「そんなことが・・・」
「あんた達が止めてくれたんだね、ありがとう」
「とはいえ、いつ再び顕現して暴走するかわからない」
伏黒君が言った。
「さっき話し合っていたんですが、彼のことは封印の間でしばらく隔離監禁するのがいいんじゃないかと」
その言葉に硝子さんは深く頷く。
「ああ、そうだね。伊地知に来るように電話する。アイツは封印術が得意だし」
「お願いします」
そうして私達は陵先生を封印の間で運び、伊地知さんが封印を施すのを見届けた。
「これで・・・大丈夫だと思います」
と伊地知さんが陵先生に施した封印術は、全身を呪文が書かれた包帯でぐるぐる巻きにしたうえ、梁や柱に繋ぐというものだった。
その姿を見て、悠仁君が無邪気な感想をこぼした。
「まるでミイラか蜘蛛に捕まった獲物みたいだね」
「すみません、強固なものにするために少々荒っぽいやり方になっていまいました」
「でも、伊地知さんの封印術の腕は確かですから」
乙骨君が言った。
「教わるのも五条先生よりもわかりやすかったですし」
そうなんだ(でも、なんとなくわかる気がする)。
「いや、そんな、五条さんよりもだなんて、畏れ多いです~」
と褒められて照れている伊地知さんをよそに、
「『みささぎ』のことも気掛かりだが、予定通り天元様のところへ行こう」
と、伏黒君が言った。
私は少し考えを巡らせた後、
「・・・私はここに残る。みんなは九十九さんと一緒に天元様のところへ行って」
と、私はみんなに言った。
それを聞いて、悠仁君は目を瞬かせる。
「でも和紗さん、五条先生の封印の解き方のこととか聞きたいんじゃ・・・」
「でも、陵先生が目を覚ました時、誰かそばにいた方がいいと思うから」
「それがいい」
悠仁君の言葉を遮り、伏黒君が言った。
「全てのことにケリがつくまで、鶴來さんはずっとここにいた方が良い」
その言葉に私は目を瞬かせた後、慌てて口を開いた。
「ずっとって、私、そんなつもりは・・・」
「それでいいんだよ。俺はまだアンタが『死滅廻游』に関わることを認めてない」
「なにそれ。認めないって、私が行動するのに伏黒君の許可をもらわなきゃいけないの!?」
「別に許可とかそんなんじゃなくて・・・」
「伏黒君が認める認めない以前に私は・・・!」
とにわかに口論になりかけたところで、
「ちょっと、二人ともストーップ!」
悠仁君が私達の間に入り諫める。
「和紗さんの言う通りだよ、伏黒オマエ、和紗さんの何なんだよ」
「俺はただ・・・」
「とはいえ」
次に口を開いたのは脹相だ。
「状況は一刻を争う。和紗が今後どう行動するかはさておいて、俺達は天元のところに急ぐべきだろう」
その言葉に、
「そのとおりです」
と乙骨君が相槌を打つ。
「・・・・・・」
まだ何か私に言いたげな伏黒君だったが、脹相がさっさと行ってしまい、それに乙骨君と悠仁君も続いたので、追うように行ってしまった。
硝子さんと伊地知さんも、負傷した術師の健診するため封印の間を後にした。
それから一時間ほど経ったくらいだろうか。
「Hi!」
と九十九さんがやって来て、ひょっこりと扉から顔を覗かせた。