第36話 告白
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津美紀さんは、看護師に車椅子を押してもらいながら、私と伏黒君のもとへやって来た。そして、
「ありがとうございます。病室へは弟に押してもらって戻りますから」
と、看護師に告げた。
三人になり、津美紀さんはニコニコして私と伏黒君を交互に見る。
そして、私に向かって言った。
「はじめまして。私、恵の姉の津美紀といいます」
「あ、はじめまして。鶴來和紗といいます」
と名乗ったものの、伏黒君との関係をどう言えばいいのか伝えあぐねていると、
「素敵なカノジョさんね。私が眠っている間に恵ってば」
と、津美紀さんはからかう様な視線を伏黒君に向けた。
「ち、違っ」
「違ぇよ。勘違いすんな」
慌てふためく私とは正反対に、伏黒君は冷静に否定した。
「鶴來さんは五条先生の婚約者だ。その繋がりでお世話になってる」
「五条さんの・・・」
津美紀さんは目をパチクリとさせた後、ワンテンポ遅れて心底驚いた顔をした。
「あの五条さんが婚約って・・・!想像できないんだけど!?」
「馬鹿。余計なこと言うな」
「・・・・・・」
何が「あの」なのかは訊かないでおこう。
伏黒姉弟のヒソヒソ話に、私は悟りを開いたような微笑みを浮かべた。
「リハビリはどうだったんだよ」
伏黒君が尋ねた。
すると、津美紀さんは少し落ち込んだ様子を見せた。
「うん。歩行の練習をしたんだけどほんの少し歩いただけ・・・」
「仕方ない。一年七か月も寝たきりだったんだ。焦ることない」
「うん・・・」
そして、津美紀さんは私の方へ視線を向けた。
「五条さんのこと、聞きました」
「・・・・・・」
「でも、きっと大丈夫。五条さんは必ず帰ってきます」
「・・・うん」
「今は不安でいっぱいかもしれないけれど、思い悩まないで・・・ハクシュンッ!」
と、言葉の途中で津美紀さんは盛大なくしゃみをした。
すると、伏黒君は津美紀さんの背後に回り車椅子のハンドルに手を置いた。
「そろそろ病室に戻るぞ。風邪でもひいたら・・・」
「うん。体力だけでなく免疫力も落ちてるのかな・・・」
「鶴來さんも戻りますか?」
「あ、私はもう少しここに・・・」
「そうですか。津美紀を送ったら、俺は高専に戻ります」
「うん」
「また明日も来ます」
と言った後、伏黒君は車椅子を動かす。
「和紗さん」
津美紀さんは私を振り返りつつ言った。
「恵のこと、これからもお願いします」
そして、伏黒君と津美紀さんは屋上から立ち去っていく。
二人の後姿を見送りながら、
(あの人が津美紀さん)
私は考えていた。
(なんか、思っていた以上にごくごく普通の女の子って感じだな。伏黒君が小さな頃から五条さんの仕事を手伝っていたって聞いていたから、津美紀さんも少しは関わっていたのかと思っていたんだけど・・・)
でも、きっとあの様子じゃ呪いのことなど知らなかったに違いない。
でも。
『津美紀も『死滅回游』に巻き込まれている』
そして、次に私はお父さんと紗樹ちゃんのことを思った。
(急がなくちゃ・・・)
私がするべきことは、もう決まっている。
二日後。
私は退院となり、伏黒君と新田さんが迎えに来てくれた。
新田さんが運転する車に乗って、呪術高専へと向かう。
その道中、
「グゥウウウウ・・・」
大型呪霊の襲撃に遭った。
途中まで巻こうと新田さんが頑張ってくれていたけれど、それが不可能だとわかると、
「祓います」
と、伏黒君が言った。
「お願いします!」
と、新田さんが急ブレーキで車を止めた。
すると伏黒君はドアを開け車から飛び出し、大型呪霊と対峙する。
「『鵺』」
鵺が急降下して呪霊を襲撃する。
さらに、
「『玉犬』」
玉犬が呪霊の足元に襲い掛かり、呪霊は横転してそのまま祓われた。
伏黒君は小さく息を吐くと、車へ戻り中へ乗り込んだ。
「ありがとうございます。病室へは弟に押してもらって戻りますから」
と、看護師に告げた。
三人になり、津美紀さんはニコニコして私と伏黒君を交互に見る。
そして、私に向かって言った。
「はじめまして。私、恵の姉の津美紀といいます」
「あ、はじめまして。鶴來和紗といいます」
と名乗ったものの、伏黒君との関係をどう言えばいいのか伝えあぐねていると、
「素敵なカノジョさんね。私が眠っている間に恵ってば」
と、津美紀さんはからかう様な視線を伏黒君に向けた。
「ち、違っ」
「違ぇよ。勘違いすんな」
慌てふためく私とは正反対に、伏黒君は冷静に否定した。
「鶴來さんは五条先生の婚約者だ。その繋がりでお世話になってる」
「五条さんの・・・」
津美紀さんは目をパチクリとさせた後、ワンテンポ遅れて心底驚いた顔をした。
「あの五条さんが婚約って・・・!想像できないんだけど!?」
「馬鹿。余計なこと言うな」
「・・・・・・」
何が「あの」なのかは訊かないでおこう。
伏黒姉弟のヒソヒソ話に、私は悟りを開いたような微笑みを浮かべた。
「リハビリはどうだったんだよ」
伏黒君が尋ねた。
すると、津美紀さんは少し落ち込んだ様子を見せた。
「うん。歩行の練習をしたんだけどほんの少し歩いただけ・・・」
「仕方ない。一年七か月も寝たきりだったんだ。焦ることない」
「うん・・・」
そして、津美紀さんは私の方へ視線を向けた。
「五条さんのこと、聞きました」
「・・・・・・」
「でも、きっと大丈夫。五条さんは必ず帰ってきます」
「・・・うん」
「今は不安でいっぱいかもしれないけれど、思い悩まないで・・・ハクシュンッ!」
と、言葉の途中で津美紀さんは盛大なくしゃみをした。
すると、伏黒君は津美紀さんの背後に回り車椅子のハンドルに手を置いた。
「そろそろ病室に戻るぞ。風邪でもひいたら・・・」
「うん。体力だけでなく免疫力も落ちてるのかな・・・」
「鶴來さんも戻りますか?」
「あ、私はもう少しここに・・・」
「そうですか。津美紀を送ったら、俺は高専に戻ります」
「うん」
「また明日も来ます」
と言った後、伏黒君は車椅子を動かす。
「和紗さん」
津美紀さんは私を振り返りつつ言った。
「恵のこと、これからもお願いします」
そして、伏黒君と津美紀さんは屋上から立ち去っていく。
二人の後姿を見送りながら、
(あの人が津美紀さん)
私は考えていた。
(なんか、思っていた以上にごくごく普通の女の子って感じだな。伏黒君が小さな頃から五条さんの仕事を手伝っていたって聞いていたから、津美紀さんも少しは関わっていたのかと思っていたんだけど・・・)
でも、きっとあの様子じゃ呪いのことなど知らなかったに違いない。
でも。
『津美紀も『死滅回游』に巻き込まれている』
そして、次に私はお父さんと紗樹ちゃんのことを思った。
(急がなくちゃ・・・)
私がするべきことは、もう決まっている。
二日後。
私は退院となり、伏黒君と新田さんが迎えに来てくれた。
新田さんが運転する車に乗って、呪術高専へと向かう。
その道中、
「グゥウウウウ・・・」
大型呪霊の襲撃に遭った。
途中まで巻こうと新田さんが頑張ってくれていたけれど、それが不可能だとわかると、
「祓います」
と、伏黒君が言った。
「お願いします!」
と、新田さんが急ブレーキで車を止めた。
すると伏黒君はドアを開け車から飛び出し、大型呪霊と対峙する。
「『鵺』」
鵺が急降下して呪霊を襲撃する。
さらに、
「『玉犬』」
玉犬が呪霊の足元に襲い掛かり、呪霊は横転してそのまま祓われた。
伏黒君は小さく息を吐くと、車へ戻り中へ乗り込んだ。