第35話 夢一夜
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すると、
「ひゃあっ?!」
悟君は私の首筋に顔を埋めた。
そして、
チュッ・・・
吸い付くようにそこへ唇を落とす。
「ちょっ、んんっ」
私は戸惑いながらも、思わず声を漏らしてしまう。
そして、悟君は首筋から唇を離し、次に私の唇にキスをした。
「ん・・・」
抱き締める腕に力がこもり、身体ごと唇を押し付けられて、私の身体は背中からくの字に曲がっていく。
「ふ、んぅ・・・」
深く深く口づけられて、吐息ごと絡め取られていく。
身体から力が抜けていく。
上手く息が継げなくて、
「も、ぉ・・・っ!」
苦しくなって、私は悟君の背中をバシバシと叩いた。
そこでようやく唇と唇が離れた。
私は悟君を睨みつける。
「調子に乗り過ぎ」
だけど悟君には効き目がなく、
「へへっ」
と笑った。
「へへっ、じゃないよ。呼吸が止まっちゃうかと思った」
「和紗を帰したくなくてつい」
と、悟君は私を解放した。
そして、優しく髪を撫でる。
「おやすみ」
私は頬を赤らめたまま、はにかんで応える。
「おやすみなさい」
そして階段を上がっていく。
その間ずっと悟君は階下で私を見送っている。
名残惜しくて、私は何度も振り返る。
そうして、いつもより何倍もの時間をかけて階段を昇り、私は自分の部屋へ帰った。
「何・・・これぇっ!?」
部屋着に着替えて、メイクを落とそうと洗面台に向かったら、鏡に映った自分を見て絶句した。
首筋に、赤い花びらのようなアザがついている。
それが何なのかはすぐに理解した。
(もうっ!悟君のバカバカ!これ、明日になったら消えるかな・・・)
腹を立てながらも、ふわふわとした多幸感は消えない。
「・・・・・・」
蕩けてしまいそうな顔をした自分を見つめていた時、
『鶴來さん!』
またあの声が聞こえてきて、私はハッと息を飲んだ。
『起きろ・・・目を醒ませ!』
その声は、昨日よりはっきりと聞こえる。
「誰・・・」
私は辺りを見回しながら言った。
「誰なの?どこから呼びかけてるの?」
だけどその声は私の問いかけには応えず、一方的に呼びかけてくる。
『鶴來さん・・・!』
ふと、視線を鏡に戻す。
するとそこには、一人の男の子の顔が映っていた。
「・・・っ」
私は慄いて、その男の子の顔を凝視した。
鏡の中の男の子と私の視線は交わらない。
男の子はこちら側にいる私に気づいていない。
ただ深刻な面持ちで呼びかけ続けている。
『鶴來さん!』
やや釣り上がった鋭い目つき。
この顔に見覚えがある。
(伏黒甚爾・・・?)
似てる。
でも、違う。
まだこの男の子は幼いし、髪の毛がウニみたいにツンツンしている。
どうすればいいのかわからず、黙って立ち尽くしていたら、やがて鏡の中の男の子は消えて行き、声も聞こえなくなった。
「っっ・・・」
私はメイクを落とすことも忘れて、ベッドに駆け込み、そのまま頭から布団を被った。
「やめて・・・」
私を呼ばないで。
呼び戻そうとしないで。
(・・・何処へ?)
何も聞きたくなくて耳を塞ぎ、何も見たくなくて目を閉じた。
そして、私は逃げるように眠りについた。
「は・・・?」
目が覚めると、目の前に一人の男の子がいた。
その男の子は、さっき鏡の中に写っていた彼だった。
彼は私の上半身を抱き起こし、私が目覚めるのを見ると、安堵したように溜め息を吐いた。
そして、
「よかった・・・」
と呟いた。
私は自力で半身を起こし、困惑しながら辺りを見回す。
コンコース。
ここは、駅のコンコースのようだ。
不思議なことに、私達以外誰もいない。
「帰りましょう」
その男の子は言った。
「呪術高専へ」
「ひゃあっ?!」
悟君は私の首筋に顔を埋めた。
そして、
チュッ・・・
吸い付くようにそこへ唇を落とす。
「ちょっ、んんっ」
私は戸惑いながらも、思わず声を漏らしてしまう。
そして、悟君は首筋から唇を離し、次に私の唇にキスをした。
「ん・・・」
抱き締める腕に力がこもり、身体ごと唇を押し付けられて、私の身体は背中からくの字に曲がっていく。
「ふ、んぅ・・・」
深く深く口づけられて、吐息ごと絡め取られていく。
身体から力が抜けていく。
上手く息が継げなくて、
「も、ぉ・・・っ!」
苦しくなって、私は悟君の背中をバシバシと叩いた。
そこでようやく唇と唇が離れた。
私は悟君を睨みつける。
「調子に乗り過ぎ」
だけど悟君には効き目がなく、
「へへっ」
と笑った。
「へへっ、じゃないよ。呼吸が止まっちゃうかと思った」
「和紗を帰したくなくてつい」
と、悟君は私を解放した。
そして、優しく髪を撫でる。
「おやすみ」
私は頬を赤らめたまま、はにかんで応える。
「おやすみなさい」
そして階段を上がっていく。
その間ずっと悟君は階下で私を見送っている。
名残惜しくて、私は何度も振り返る。
そうして、いつもより何倍もの時間をかけて階段を昇り、私は自分の部屋へ帰った。
「何・・・これぇっ!?」
部屋着に着替えて、メイクを落とそうと洗面台に向かったら、鏡に映った自分を見て絶句した。
首筋に、赤い花びらのようなアザがついている。
それが何なのかはすぐに理解した。
(もうっ!悟君のバカバカ!これ、明日になったら消えるかな・・・)
腹を立てながらも、ふわふわとした多幸感は消えない。
「・・・・・・」
蕩けてしまいそうな顔をした自分を見つめていた時、
『鶴來さん!』
またあの声が聞こえてきて、私はハッと息を飲んだ。
『起きろ・・・目を醒ませ!』
その声は、昨日よりはっきりと聞こえる。
「誰・・・」
私は辺りを見回しながら言った。
「誰なの?どこから呼びかけてるの?」
だけどその声は私の問いかけには応えず、一方的に呼びかけてくる。
『鶴來さん・・・!』
ふと、視線を鏡に戻す。
するとそこには、一人の男の子の顔が映っていた。
「・・・っ」
私は慄いて、その男の子の顔を凝視した。
鏡の中の男の子と私の視線は交わらない。
男の子はこちら側にいる私に気づいていない。
ただ深刻な面持ちで呼びかけ続けている。
『鶴來さん!』
やや釣り上がった鋭い目つき。
この顔に見覚えがある。
(伏黒甚爾・・・?)
似てる。
でも、違う。
まだこの男の子は幼いし、髪の毛がウニみたいにツンツンしている。
どうすればいいのかわからず、黙って立ち尽くしていたら、やがて鏡の中の男の子は消えて行き、声も聞こえなくなった。
「っっ・・・」
私はメイクを落とすことも忘れて、ベッドに駆け込み、そのまま頭から布団を被った。
「やめて・・・」
私を呼ばないで。
呼び戻そうとしないで。
(・・・何処へ?)
何も聞きたくなくて耳を塞ぎ、何も見たくなくて目を閉じた。
そして、私は逃げるように眠りについた。
「は・・・?」
目が覚めると、目の前に一人の男の子がいた。
その男の子は、さっき鏡の中に写っていた彼だった。
彼は私の上半身を抱き起こし、私が目覚めるのを見ると、安堵したように溜め息を吐いた。
そして、
「よかった・・・」
と呟いた。
私は自力で半身を起こし、困惑しながら辺りを見回す。
コンコース。
ここは、駅のコンコースのようだ。
不思議なことに、私達以外誰もいない。
「帰りましょう」
その男の子は言った。
「呪術高専へ」